少林寺拳法部の初段試験合格を目指す…演舞で大切なことは?

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高校時代に所属していた少林寺拳法部で、初段試験合格に向けた稽古をしていました。

私の高校は少林寺拳法の大会でも全国大会出場経験があるなど功績のあるが故に、少林寺拳法界の技術者達による講習会も頻繁に行われておりました。

少林寺拳法部の講習会での出会い

講習会を通じて、当時高校2年生だった私は朝倉さん(仮名)という30代前半の男性に出会いました。

朝倉さんは私と同様に高校から少林寺拳法を初め、普段は大学の少林寺拳法部に外勤講師として講習を行っています。

高校の顧問が朝倉さんと知り合いだったので週に1度講習を受講する機会がありました。

朝倉さんは身長は163cmと小柄な体型でしたが、よく講習での演舞練習の際には体重80kgもある大柄な部員をいとも簡単に転がしてしまうほどの技術者でした。

口数は少なく、あまり笑わない方でしたので初めは緊張して練習のこと以外では特に話すことはありませんでした。

少林寺拳法部の演舞で大切なことは?

高校3年に上がると受験勉強で部活に来ない部員も多くなり、3年生は私以外部活に来ない日も多くなりました。

私は初段取得をしたかったので、部に足を運んでいました。

初段試験に演舞披露があったのでペア役として朝倉さんが代役してくれたこともあり、自然と会話するようになっていきました。

ある日演舞の練習をしていると朝倉さんに

「演舞している時は何を気にしている?」

と聞かれました。

私は、

「相手に技をきちんと極め、失敗なく終えること」

と答えました。

すると、朝倉さんは、

「確かにそれができれば実技の試験は合格できる、でも、演舞の心得として覚えておいて欲しいことはいかに技をきれいに審査員に魅せるか、技以外の動きや基本的な姿勢にも気を遣うと良いんだよ」

「演舞は組み手とは違い、技のパフォーマンスだけではなく、その技をいかにオーディエンスに魅せるかが大事、かつ、見られている意識を持つことだ」

と話しました。

それまで私の演舞の視野範囲は私と演舞相手しかありませんでした。技を評価するであろうオーディエンスの存在がすっかり抜けていたこと、技の質に集中し、基本的な構え、姿勢に気を遣えていなかったことを再認識しました。

初段試験に無事合格!

それから、私は朝倉さんが不在時には鏡壁前で自分の演舞の動きや姿勢を見ながら練習し、丁寧かつ魅せる動きを入念にチェックしました。

客観的に自身の演舞を見てみると動きが粗い部分も見つかり、修正すべき課題も明確に見えていきました。

そして初段試験は無事合格し、ある審査員の方から私の顧問に

「彼(私)の演舞の動きは柔らかく、それでいて決める時は決める動きをしていて綺麗な演舞だった」

とのお言葉を頂きました。

仕事でも役立つ見られている意識

朝倉さんから教えて頂いた見られている意識、魅せる意識はその後の私の人生の教訓にも影響しています。

現在、私は会社員として働いていますが、見られている意識を持って仕事をしています。

見られている意識=客観性。自分の発言や振る舞いは他者からするとどういう風に感じるのだろうか。客観性を持つことで自分という人間を少しでも知るきっかけ、見つめ直すこともできる。

例えば、私の場合は仕事での問題が発生した時に問題に対して客観的な視点から見て問題解決を図る。

主観的な視野だと問題解決の引き出しも少なくなってしまう。客観性を得る為に相手に意見を求めたりすることもする。

その度にまだまだ未熟な自分が見えてくる。自分を客観的に見ることで改善し、向上力を保てていることは確かです。

朝倉さんは現在は地方にいるとのことで会うこともなくなったが、10代のうちにご教授頂いた見られている意識を学んだことは私の財産になっています。

(文・Totty)