古武術の棒術に必要な柔軟性を高めるストレッチ方法

私が格闘技を始めたのは、丁度大学1年生のとき。小学校から高校までずっと野球をしていた私は、大学に入ったら新しいスポーツを始めようと決めていました。

K-1が盛り上がりを見せる2000年代半ばのことです。魔裟斗がいて、KIDもいて、キックボクシングを始める人も多かったことでしょう。そんな中私も、漠然と格闘技をやってみたいと思っていました。

そこで、私が始めたのは棒術という古武術です。

大学サークルで古武術の棒術を始める

なぜ古武術かというと、本当に特別な理由はありません。とりあえず一番初めに誘われた格闘技及び武術系のサークルに入ろうと思っていたのです。

そして、一番最初に声をかけられたのが、この棒術の練習を行うサークルでした。

棒術というのは、約180cmの木の棒(孫悟空の如意棒をイメージしてください)を持ち、型を披露する演武系の武術です。試合はなく、演武のみです。

格闘技・武術の練習が初めてだった私は、ウキウキしながら初日の練習に向かいました。小中高の野球の経験はあったので、体力的には問題ないだろうと思っていましたが、痛感させられたのは自分の柔軟性のなさでした。

柔軟性不足を痛感

先輩達が軽く180度開脚、踵落としのように脚を真上に蹴り上げている中、少し前屈しただけでヒーヒー言ってる自分がいたのです。

自分の急務はこの柔軟性の向上。それに尽きると思い、最初の半年は集中的に柔軟性を鍛えました。一番効果があったであろう柔軟の方法を紹介したいと思います。

柔軟性を高めるストレッチの方法

自己流のストレッチと、棒術の練習中に行うストレッチがあるのですが、棒術の練習中に行う方は基本ありふれたものなので、自己流でやっていたものを紹介いたします。

私が自己流で行っていたのは、映画「Once upon a time in China」というカンフー映画で見た、足を高所に上げて前屈のように腿裏を伸ばすストレッチ。丁度バレリーナが胸のあたりにあるバーに足を乗っけてストレッチするのを想像すればいいでしょう。

ジェットリーみたいに、高く上がる足技にあこがれて毎日毎日繰り返し行いました。

ストレッチは毎日行う

結論から言って、柔軟性はかなり上がりました。その証拠に、足の蹴り上げは頭の上まで上がるようになりましたし、座った状態で縦にも横にも開脚できるようになりました。

柔軟性は、基本的にどんな方法でやっても向上しますが、守ってほしいのは毎日続けることですね。

筋トレは毎日行う必要ないとはよく言われますが、柔軟は毎日です。1日休むと3日前に戻ってしまうと言われています。

運動後の体が温まっているときに行うと良い

そして効果が高いのは運動後か入浴後。特に私は運動後をお勧めします。柔軟は、体があったまっている時にするのが一番効果があります。

日常生活の中で、体が温まるのは運動後か入浴後。しかし、この2つには大きな違いがあります。

体の中から温まっているか、体の外から温まっているかの違いです。

運動は筋肉を動かし体の中から熱を発します。筋肉は温めることで柔らかくなるので、その時に柔軟を行うことで、通常時よりも効果が見込めるのです。

お風呂に入った後でも、体が外から(お湯で)温まっているので、運動後ほどではないですが筋肉のストレッチ性が高まっている状態です。

気を付けるのは体が中から温まっていないので、いつもより伸びるからと言って無理にストレッチ体操をしてしまうと、温まっていない内部の筋肉も無理してひっぱってしまうこと。

そして何より、私には足を高く上げたいという目標があったので、当たり前ですが毎日何回もかかと落としのような蹴りを練習しました。柔軟体操はあくまで手段です。

大学で留学過程があったので、棒術は2年次でやめてしまいましたが、身に着けた柔軟性は社会人になってキックボクシングをやるときにも活きてきました。ミドルやハイキックを難なく蹴れるので、無駄ではなかったと思っています。

柔軟性の向上はケガの防止にも非常に有効です。

(文・Keisuke)