高校空手部、インターハイ出場を決めたカウンターのスピード強化練習法

2000年代、私の高校空手部時代の話しです。

インターハイ出場が果たせず、引退していった先輩達の悔しさを目の当たりにした夏、私達に残されたものは更なる厳しい練習への闘争心でした。

翌年のインターハイには必ず出場する、という熱い思いから出る。

私の通っていた高校は私学でしたが、宗教法人の学校でスポーツ推薦等はなく、インターハイに出場してくる他校の空手部と比べたら、空手経験者が少ない学校でした。

それでもインターハイ出場権を手に入れる年も多々あり、ただただ夢のような話を語るだけの空手部ではなかったのです。

高校空手部で敗因を分析

目指すは「組手の団体戦」出場。試合は個人ごとで行われますが、結果は5人中3人が勝たなければチームの勝利には繋がりません。そしてこの夏5人中の3人が負け、インターハイ出場が出来なかったのは、他校より何か劣るものがあったからでしょう。

試合のビデオを見て研究した際に気づいた事は、カウンター攻撃でのスピード負けでした。カウンター攻撃とは、相手が攻撃した際に相手の技が自分に当たる前、あるいは相手の技をかわしながら自分の技を出すという攻撃方法です。

相手の攻撃に対して反応が遅れたり、自分の技にスピードがなければ、当然相手の技が先に入りポイントはとられてしまいます。

なのでスピード負けしていた私達の課題は、相手への速い反応と技へのスピード強化でした。

カウンター攻撃のスピード強化

基本練習と体力作りを強化した夏合宿を終え、新学期が始まると同時に私達の練習は、課題であったカウンター攻撃でのスピード強化に重点をおくようになりました。

監督はこの夏中、色々と研究してくれたのでしょう。新学期初日の練習、空手部の監督が卓球のピンポン玉を持って道場に来ました。卓球部自体が存在しない私達の学校の体育館にです。

普段からチョット変わった練習方法を取り入れるのが好きな監督、今回は何を私達に教えてくれるのかと心がワクワクしました。

ピンポン玉を使った練習法

ピンポン玉は2人一組に一個、Aさんはピンポン玉を持ち、Bさんの中段逆突き(踏み込んだ足の反対側の拳で腹部に突き込む技)を突いた拳の先端に立ちます。

Aさんは直立状態からピンポン玉を持つ手を上に伸ばし、その位置からピンポン玉が自然に落ちるように落とすのです。Aさんはその落ちてくるピンポン玉を、中段逆突きで打ち砕くという練習方法でした。

最初は誰の拳もピンポン玉に当たらず、かすることすらできませんでした。一瞬にして落ちてくるピンポン玉、距離間もあり反応が遅れれば、技を出す以前に落下します。

それまでは部員相手やミットへの打ち込み練習ばかりだったので、この小さな球を捕えるのに私達は四苦八苦状態でした。

毎日の練習の中で一番集中力が切れやすい、練習の中間時点に組み込まれていたこの練習は、気力的にも体力的にも厳しいものでもありました。

スピードとキレのあるカウンター攻撃が可能に

最初は球にかすりもしなかった私達のピンポン練習も、反復練習のおかげあって日々上達していきました。球を捕えようという集中力を高められ、ピンポン玉が手放された瞬間への反射神経が鍛えられ、それに反応すると同時に技がスピードとキレを持って出てくるようになったのです。

この練習で身についたものは試合でのカウンター攻撃に繋がり、私達は以前より大幅にスピードとキレのあるカウンター攻撃を試合で使いこなせるようになりました。

相手への反応力は敵へのプレッシャーをかけ、試合の流れを自分達のものにできたのです。

目標だったインターハイ出場を決めた

一年間の厳しい練習はしっかりと結果とし残りました。翌年の県予選では、団体組手1位で通過しインターハイへの出場権を手にしました。

インターハイでもベスト16入り、私の母校で初めてのインターハイ上位記録です。私達の最後の試合は、チームとしては敗戦で終わりましたが、私自身は相手に1ポイントも与えずに勝ちました。

当時は、単発の技は蹴り技以外であれば、技あり(1ポイント)がもらえるルールが基本でしたが、私はピンポン練習で鍛え上げた中段逆突きで、一本(2ポイント)を獲得し完全勝利で三年間の空手生活に幕を閉じました。