高校剣道から解禁になる「突き」を練習して構えにも変化が

高校進学とともに剣道仲間達が部活をやめていき、バイトや遊び、恋愛などを楽しんでいる中、全国大会を目標に日々練習に取り組んでいました。

「突き」に出会ったのは、中学生になった時です。小学校の頃から通っていた道場で、大人に混ざり練習をするようになった頃、先生方の稽古を見ているときでした。その技があることは知っていましたが、実際に見たのはこの時が初めてでした。

印象としては、喉を突くということもあり、怖いといったイメージが大半で、まさか自分がこの技を習得するとは思ってもいませんでした。

高校から解禁になる剣道の突き

進学した高校の顧問の先生は「突き」を推奨する先生でした。中学までの公式試合では禁止されているので、高校生になって練習することになるのはわかっていました。それでも、なかなか試合でも目にすることがなく、あまりやられていない技という認識でした。

だからこそ興味深く、教えてもらった時はとても嬉しく思いました。しかし、思っていた以上に難しく、的を射ることも難しいのに、試合で決めるなんて到底無理ではないかと思いました。

剣道の他の技は、相手をいかに崩したり、隙をみたり、相手の竹刀を揺さぶることで技を決めるということがほとんどですが、こうした攻防が「突き」に関しては当てはまらないのではないかと感じました。

試合で突きを決めるための条件

この時私にとって、「突き」を習得することが一つの目標となりました。「突き」を試合で決めるには、相手の中心を割って入ることが重要だと習いました。最初にイメージしていたように、相手の竹刀が開いたときに隙を伺うような技ではないということを理解した上で、練習に励みました。

突きのポイントとしては、まず、中心をはずすことなくしっかりと構えていられる、ということが一つ挙げられます。相手の攻撃に対する返し技や、出ばな技などといった技を得意としていて、じっくりと構えていられないなどといったスタイルの人には向いていないかと思います。

逆に、じっくりと相手の竹刀の間や、隙を狙いその一瞬を突くことのできる人には、とても向いていると言えるでしょう。

また、この技には腰が重要とされています。手先だけでは決してできる技ではありません。腰をしっかりいれて突かなければまっすぐきちんとした場所に「突き」を決めることができません。

突きという技は、小技を持った相手に有効です。また、初心者や何もわからない相手にはもちろんですが、相手の動きにあわせて、返し技や抜き技を狙っている相手、こちらが攻めたときに退くような相手、左足が人よりも後ろにある相手には特に有効だと思います。

突きを通して、中心がぶれない構えに

習得のために、まず突きの得意な選手を研究しました。そういった選手は決まって、構えただけでも圧が違いました。私には、攻め射ることができないくらい、何をしても竹刀がぶれないのです。

反対に、相手が私の「突き」をいつでも狙っているように思えました。つまり、それだけ中心がぶれていないということなのです。

私もこの技を習得したことで、ぶれずにしっかりと中心をとれるようになりました。また、更によかったことがあります。高校生になると、構えで上段に構えてる人も多くいます。そんな相手に対しても、中心がぶれずに相手に対して構えられていたので、上段の選手と戦うのが得意になりました。