15年のブランクを経て剣道再開…社会人として試合に勝つ難しさ

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私が学生時代に剣道をしていたのは、小学校4年生から大学4年生までの13年間です。時期によって稽古量の差はありましたが、人並みの学生剣道人生だったと思っています。

剣道熱心な人であれば、社会人になったら会社の剣道部や警察官の機動隊剣道などで剣道を続けると思いますが、そういった剣道優先の環境を選ぶことができなかった場合は、なかなか稽古場を見つけて剣道を続けることは難しいのではないかと思います。

社会人になり、15年ぶりに剣道再開

とくに、社会人になると仕事が忙しかったり、また、結婚して子供が小さかったりすると、子供を置いて自分だけ剣道をするのは家族の理解が必要だったり、稽古場の確保とあわせて剣道を続けることは難しいものです。

私も、そういったことが重なって、社会人になってから15年間剣道をしていない時期がありました。

どんなことでもそうだと思いますが、好きなことやどうしてもやりたいことは、あきらめきれないことが多いと思います。私にとって剣道はそういった存在で、15年という長い期間でしたが、機会があれば必ずまたやろうと思っていました。

現在は剣道を再開してから10年ほど経ちますが、剣道を続ける環境を作ることができたことは、とても幸運だったと思います。

社会人として試合に勝つ難しさ

何か競技をするからには、目標があったほうが継続しやすいと思いますが、社会人になると、少年剣道のように試合に出る機会も減ります。

とはいえ、昇段を目標にすると何年も期間を開けないと次の昇段審査を受けることができないため、モチベーションを保つためには、試合に出るという目標は継続するうえでは大切なことです。

さらに、勝つことを目標とすると、ハードルは高くなります。私も、剣道を再開してからしばらくは、試合に勝つことができないでいました。

剣道を再開して5年ほど経った頃、とある地方大会に出場する機会がありました。小さな大会ですが、一般の方が20名ほど出場していて、ほとんどが20代から30代ぐらいの実業団の方か警察の方でした。

実は全日本に出場する選手のほとんどが警察の方です。私が当日最初に試合をする相手も警察の方でした。若くて、スピードもある選手にどうやって勝つことができるだろうと、試合をする前は非常に不安だったのを覚えています。

若い頃とは異なる試合のプレッシャー

試合となると、当然ですが審判員の前で試合をすることになります。年齢が上がってくると、自分の行いに対しての評価がその場で下される機会はめったにないと思いますが、剣道の試合はまさにそういった場です。

審判員の前で日頃の剣道を披露するというのは、とてつもないプレッシャーなのです。

この日も、高い緊張感を伴いながら試合を始めました。そして、最初の一撃で相手に面を取られてしまいました。

いつもであれば、何も考えずに2本目が始まるのですが、この日は違いました。

心の中で声が聞こえたのです。

「今日もこのまま何もできないで負けてしまうのか。それだったら、思い切って稽古のとおりやったらどうだ」

どんな競技でも試合はとても緊張するものです。そして、この緊張こそが試合で日頃の稽古の成果が出せない原因である場合もあります。稽古の時はちゃんと動けるのに、試合になるといつもと違う体の動きになってしまう。心当たりがある人も多いと思います。私の場合は特にそうでした。

しかし、この心の声がした後は体が動くようになり、なんとか小手を2本取り返して勝利することができたのです。

試合をうまく進めることは、人によっては難しいことです。普段の稽古と同じように動ける気持ちを作ることが、勝利することの第一歩だと実感した試合だったので、とても印象に残っています。

(文・波之平)