接近戦で決める内股…得意技の入り方を工夫したらスゴイ技になった!

私は父と兄の影響で、幼い頃から柔道に取り組んでいました。小さな頃は体が大きなこともあり、試合で負けることはほとんどありませんでした。

地元の柔道場が熱心だったこともあり、稽古へも一生懸命に通っていたので、負けることも数えるほどしかありませんでした。全国大会へも何度か出場しました。

中学・高校と進学した後も、稽古さえ一生懸命していれば、全国大会へは出場することができていました。

得意技「内股」の入り方を変える工夫

大学進学を機に、関西へ引越しをしましたが、自分よりも強い人や実績がある人がたくさんいました。

その中で自分がどのようにしたら戦うことができるのか、強い人と同等に渡り合っていけるのかを考え、工夫した結果、身につけた技が接近戦の内股でした。

幸い元々得意技が内股だったので、その内股を工夫した結果です。一般的な内股で大学まで柔道経験がある人を投げるのは本当に技術が必要です。また筋力も必要になってきます。

そこで考えたのが、相手にできるだけ近づいて、技に入ることでした。この技術を身につければ、確実に技あり以上のポイントは取ることができます。また、相手に近づいて技に入るため、技に入るまでの筋力は必要になりますが、上手く入ってしまえば、投げるまでの筋力はほとんど必要ありません。

言ってしまえば、入るまでの技術さえ身につければ、投げることができる技なのです。

帯を持ち、横から内股に入る

一般的な内股との決定的な違いは、釣り手の位置です。私の内股は相手の襟ではなく、腰あたりの帯を持ちます。なぜ、私がこの技に行き着いたかというと、上半身の力が人よりも少なかったためです。

また、軽量級ということもあり、スピードがあったからだと考えています。動きのなかで相手の腰帯を持ち、横から内股に入るイメージで相手に近づきます。

そして、自分のお尻の下あたりを相手の股に入れ込むように深く踏み込むことで、技が決まりやすくなります。

一本取れなかったとしても、そのまま寝技へ移行できます。寝技が得意な人も使える技だと思います。じっくり組んでから入る技というよりも、組み際を狙った技に近いです。

この技を習得してから、同じ階級から下の人はもちろん、二階級上の人でも投げられるようになりました。明らかに力の差がある人でも、技に入ることで不意を突くことができるので、試合の流れを変える方法としても使える技です。それからは稽古中でも一本取ったり、先輩を投げることが多くなり、人数が多い部でしたが、個人戦出場の切符を得ることができました。

大学では全国大会への出場は叶いませんでしたが、個人戦に出場できただけでも私は嬉しかったので、後悔はしていません。

接近戦で内股を決めるには

この技を身につけるためにはまず、内股をできるようにならなければなりません。また、より技を決めやすくするために、軸足、投げ足を強化することも必要です。

特に軸足は、自分と相手の体重が一気にかかるので、しっかりと踏ん張れるよう強化するべきです。一度技を掛けてしまうと、途端にバレてしまうので、組んでからのモーションを速くすることがポイントです。

手足が長い人の方がこの技をするには向いているかもしれません。手が長いと相手の帯も持ちやすいでしょうし、足が長いと振り上げの幅も大きくなるので、一本を取れる可能性も高くなります。

腰帯を持っているので通常の内股のように相手と胸を合わせることが難しいですが、なるべく上半身を前に倒さず、できるだけ相手の胸に自分の胸を近づけるように技に入ってください。上半身が前に倒れてしまうと、相手と距離ができてしまうので、釣り手または引き手を切られてしまいます。

相手にしっかりと近づいて、一気に入るイメージで技に入ると成功しやすいと思います。入った後のポイントとしては、引き手をなるべく遠くから回して、自分の方に近づけることです。引き手を大きく回すことで、相手の体重が前にかかり体勢が崩れるので、その状態で足を振り上げると確実に一本取ることができます。

腰帯を持った釣り手で相手を引きつけ、一気に相手の懐に踏み込み、相手の股の下から足を振り上げると同時に、引き手を大きく回す。これを意識して練習を重ねることで、コツがつかめます。練習の過程で自分に合ったやり方も見つかるでしょう。