私は高校の部活動で半年間、週2~3回少林寺拳法をやっていました。
練習期間としては短めですが、それでもやめるころには三級試験に合格し茶帯をしめていました。
入部当初は見習いとして白帯、2年の先輩方は茶帯、3年生は黒帯(初段)でした。
全国大会出場レベルの少林寺拳法部に入部
少林寺拳法部に入部したきっかけは、高校生になったし、何か運動したいな、と思っていた時に友人に誘われたことです。
体験入部で先輩の切れキレの突き・蹴りの動きを見て、
「格好良い!自分も先輩みたいになれたらなぁ」と思いました。
私の通った高校の少林寺拳法部は全国大会にも出場する選手がいる名門だったんです。
護身術として役立つかも
それまで少林寺拳法部のことはよく知らなかったのですが、痛くなさそうな武道であることは好印象でした。
大会も戦う試合ではなく、試合を演ずる演舞だから空手の試合のように殴られたり蹴られたりはないとのことで、「私にも出来るかも」と思いました。
また、基本的に技は護身術とのことで、何かあった時の役に立つかもと思いました。
他の部活を優先したいやら人間関係やらですぐにやめてしまいましたが、体の動かし方について学びが多く、良い経験が出来たと思っています。
今でもきっかけさえあればまたやりたいかも、と思っています。
少林寺拳法の片手巻抜き(かたてまきぬき)のコツ
私の得意技は柔法(じゅうほう)のひとつである「片手巻抜(かたてまきぬき)」です。
柔法は手首を掴まれた場合に、その手を外したり極めることです。
対して突き・蹴り・受け・かわしのことは剛法(ごうほう)と言います。
初心者でもすぐに教えてもらえる片手巻抜き
片手巻抜は部活動中に先輩方に教えてもらいました。
高校に入って初めての昇級試験である三級の試験までには動きが分かっていました。
初心者でもすぐに教えてもらえる技です。
片手巻抜きの手順
この技の魅力は相手に手をつかまれてから反撃に転じるまでの一連の流れが、武道の素人である私から見ても非常に自然なことです。
少林寺拳法をやっていた時期から10年以上経ちますが、いまだに動きを覚えています。
右手での片手巻抜きの手順は次の通りです。
- 右手で鈎手守法(かぎてしゅほう・柔法の基本中の基本)を行います。
- 体全体を右斜め前に動かしつつ、左手で相手の顔を突きながら、右手の位置を動かします。
- 思い切り自分の右腕の肘を相手の左腕の肘めがけて突き出します。これで相手の左手が自分の右手首から外れます。
- 肘が出た状態の自分の右腕で相手の顔めがけて裏拳を打ちます。
②の時の自分の右手の動きは、相手の左手の下をくぐって元の高さに戻すイメージです。自分から見て、自分の右手が相手の左手の右側に来ている状態です。
大きい動きと小さい動きのメリハリを
上で技の手順をかいていますが、実際は畳みかけるように①から④をスムーズに、それでいて一つ一つの動作はしっかりメリハリをつけることが理想です。
メリハリとは、大きく動くべきところは大きく、小さくすべきところは小さく動くことです。
片手巻抜における大きい動きは突き、肘を出す動き、裏拳です。
一方、小さい動きは手を外すための鈎手守法や右手の位置の移動です。
もちろん基本姿勢である、腰の位置を低くキープし続けることも大事です。
自分と体格の似たパートナーを選ぶ
パートナーが自分よりすごく背が低い場合は避けた方が無難です。
私はこの技の見せ場は最後(手順④)の裏拳だと思っています。
裏拳を格好よく見せるコツは胸を張ることですが、パートナーの顔の位置が低いとやりにくいと思いますし、見栄えも悪いと思います。
もっとも、身長差があるとやりにくいのはこの技だけではありません。可能なら身長が近い者同士でパートナーを組んだ方が良いでしょう。
ダイナミックに見える裏拳が魅力
少林寺拳法の大会は演舞ですので、強い・弱いではなく、技が格好良い・悪いが重要です。
詳しく言えばひとつひとつの動作が素早いことと姿勢が良いことです。一連の流れが自然であることは素早い動作につながります。
基本的にはパートナーを組んであらかじめ練習した上で大会で演じます。よって技の上手い下手はあってもド忘れしない限り技は成立します。
あとは審判に好印象を与えられるかどうかです。
私は片手巻抜きを演舞に組み込んでいました。肘を前に突き出す動きや、最後の裏拳も格好良いですしね!
裏拳は通常の突きに対して動きが大きく、ダイナミックに見えます。
(文・ともとも)