キックボクシングを始める前はずっと野球をしていたのですが、中学の野球部を引退し、何か違う事を始めてみたいと思いキックボクシングを始めました。
初めの頃は趣味程度で、週2~3回ジムに行くくらいでした。ですが高校生の頃に初めてアマチュアのキックボクシング大会に出て負けてしまい、その悔しさから週5~6回ジムに通うようになりアマチュアの試合に出続けて経験を積みました。
私が行っていたジムにはプロの選手はおらず、19歳の時に私がジムで初めてのプロとしてデビューすることになりました。
アマチュアでローキックが効かない理由
私の得意技はアマチュアの頃からずっとローキックでした。
私には元々力がなく、KOできるタイプの選手ではありません。その中で何か自信がある技を作りたいと思い、ローキックを磨き続けました。
なぜローキックにしたかというと、体のリーチを活かすためにローキックで距離をとって戦うスタイルが自分に合っていたことと、パンチが好きだったのでパンチとのコンビネーションが組み合わせやすいからです。
ローキックはテレビや画面越しで見ているとあまり印象に残るような技ではありませんが、実際に自分が蹴られてみるとめちゃくちゃ痛いです。
ですがアマチュアの試合だと足にプロテクターをつけて試合をするので、素足に比べてダメージはかなり軽くなってしまいます。実際にアマチュアの試合でローキックでダウンを奪ったこともなければ、見たこともありません。ですがプロになると話は違いました。
プロデビュー戦をローキックで勝利
私のプロデビュー戦の相手はすでにプロ5戦闘ってきている選手でした。そんな相手に少しビビっていましたが、試合が始まれば自分の得意技を信じてローキックを蹴りまくりました。
プロはアマチュアと違いプロテクターがないので、相手の足に自分のスネが直接当たります。プロテクターがないだけでダメージは何倍にもなります。
今までダウンを奪ったことなど無かったのですがプロデビュー戦にローキックでダウンを奪うことができたのです! 今まで自分の得意技を何年もひたすら練習してきて本当に良かったと思えた瞬間でした。
コンビネーションで使いやすいローキック
ローキックは格闘技をあまり知らない人には人気がない技のような印象があります。
ですが実際の試合では相手の足にダメージをためていくことによって、相手は足に力が入らなくなり強いパンチが打てなくなります。
それだけでもかなり有効な技ですが、パンチの後にも動いた後にもすぐに繋げて出しやすのでとても使いやすい技でもあります。
人間のスネは鍛えれば硬くなるので、その硬いスネで相手の太ももを勢いよく、何回も同じところを蹴れば必ず大きなダメージを与えられます。
ですがやはりローキックだけで試合に勝つことは厳しいですし、1発で倒せるパンチや蹴りに比べれば強力さは欠けてしまいます。なので基本的な使い方はコンビネーションになります。
例えばワンツーからのローキック。パンチを打ち、相手の意識を上の方に上げてからローキックで下に蹴る。こうすることによって相手は意識を上や下に移動させてしないといけなくなり、全てを防ぐことが難しくなります。
それ以外にもローキック→パンチ→ローキックのように下→上→下でさらに攻撃を散らすことが可能です。これによって倒せはしなくても相手の意識を散らして戦いにくくし、自分の距離とペースで戦うことができるようになります。
ローキックはちゃんとした形で蹴る癖をつけれさえすれば速くて重い攻撃ができるようになるので、ローキックを磨く場合はちゃんとした形で蹴ることと、ちゃんと足のスネで相手を蹴る事を意識しながら蹴ることが大事だと思います。
あとは自分が使いやすいコンビネーションをどんどん増やしていけば、面白いように蹴りが入るようになると思います。
1発で倒せるフックやハイキックなど、大技が得意技っていうのもかっこいいですが、私のような力にあまり自信がない人は是非ローキックを軸にコンビネーションをたくさん作ってみてください。