女子高空手部「笑え!」の実践でインターハイベスト8へ

高校空手道部の顧問の先生は空手経験者で、幼いころから空手をはじめ高校・大学では全国大会上位に入賞した経歴を持つ先生でした。先生は男性です。

よくも悪くも手加減はありませんでした。

泣きそうときにでも笑え!

先生の指導のひとつに「笑え」というものがありました。

女子高の空手部といえ、稽古では手加減ありません。真夏の稽古はたまに人が消えていきます。トイレに消えて青い顔でもどってきます。

逃げられない生徒は涙が流れ続けます。ただこのような行動は励まし合いにはなりません。弱い気持ちが生まれると連鎖して士気がさがってしまう、というのが先生の方針でした。

そこで先生は「笑え」と言いました。目が死んでいたり、苦しげな顔をしたり、当然泣いたりなどは許しませんでした。辛ければ辛いほど笑うのです、

笑顔で稽古に臨みます。道着を着た女子高生の集団が汗だくになりながら、目を血走らせて笑っています。あまりにもシュールです。

よく食べる

もう1つはよく食べることです。先生の持論は「食べれるやつほど強い」です。

わたしたちは花の女子高生にも関わらず、合宿ではどんぶりには日本昔話のようにこんもりと盛られた白米を食べさせられました。

1杯ではなく2杯以上です。空のどんぶりが見えるとあっという間に先生からよそわれてしまいます。

次の稽古まで間がない中、他たっぷりのおかずと1合ほどのお米を食べるのは稽古とはまた違った辛さがありました。

同期は涙しながらお米を食べていました。

にやりと笑いインターハイベスト8へ

日々の稽古を笑顔で乗り切った先

1つは試合で自然と出る余裕です。こちらは精神的・肉体的につらい状況と笑顔がセットで発動されるようになっています。

試合で少し追いつめられたとき、相手の顔を見てにやりと笑えました。

高校三年のベスト8をかけた試合。わたしは直前の稽古で足をひどくひねり、片足はテーピングでぎちぎちに固めていました。痛みもひどくてまともに歩けませんでした。

そのような状況でも絶対に負けられませんでした。

試合で相手ににやりと笑いかけた後、動揺する様子がとてもよく見えました。その後形成逆転し、上段(頭部)をける大技を決め勝つことができました。
この経験によって、先生が言っていた笑顔の目的はここにあったのではないかと後日気づくことができました。

接客業の笑顔は簡単だった

笑顔のことだけいえば、その後接客業のアルバイトや就職活動においても非常に役立ちました。

体が痛くなく、息が上がってない状況で笑うことが非常に簡単だったからです。

いまでは笑い話で同期と話すことができますが、当時はあんまりにも辛い日々でした。

辛い分結果となって帰ってきたり、大切な友人関係ができたりと空手を通して得られたものは多くありました。自分自身も大人になったいまは先生に感謝しています。

普通の大人にはあんなことできません。いま武道をされている方がいらしたら、試しに苦しくても笑顔!に挑戦してみてください。

顔がにっこりするのが武道の種目によってはアウトかもしれないので、顔はポーカーフェイス、心でにやりでも。相手を圧倒する余裕を、ぜひ無理やり生み出してみましょう。