150cm中学剣道女子が初めての一本!スピードが重要な引き小手

私は中学3年間、剣道部に所属していました。

部活動見学に行った時、道着を着て素振りをする先輩方を見て、直感で「この部活しかない」と思ったことが入部の決め手でした。

そんな剣道未経験だった私ですが、どうやらその直感が当たっていたようで、日に日に剣道の面白さにのめり込んでいきました。

また、同級生が自分を含め全員初心者で、不安要素を共有できたのも個人的にはありがたかったですね。

中学2年生になってようやく部活に慣れてきた頃、同級生たちはどんどん技を磨き、試合で勝てるようになっていました。

そんな中、私は中学2年生になっても一向に勝てず、それどころか1本すら取ることができていませんでした。

150cm中学剣道女子が初めて一本をとった!

私の当時の身長は150cmと低く、自分より身長の高い相手と試合をすると面を打たれやすかったのです。

成績が伸び悩み、苦しい日々を過ごしていた当時の私に、顧問の先生がとある技を磨いてみてはどうか?と提案してくれました。

その技は何かというと、「小手」です。

小手を重点的に練習し始めた結果、数カ月後の試合でなんと小手で1本取ることができました。

あの時、顧問の先生が提案してくれたおかげで、小手はその後の私の得意技になったのです。

身長差のある相手に小手が決まりやすい理由

顧問の先生から「磨いてみたら?」と提案された技である「小手」は元々、自分でもやりやすいと感じていた技でした。

私に小手をすすめてくれた理由はなぜなのか聞いてみると、先生いわく「自分より身長の高い相手であれば、相手の手首(小手)が自分が打ち込みやすい場所に来るので有利になる」とのこと。

私はそれを聞いてとても納得しました。

なぜかというと、身長の高い相手とつばぜり合いをする際、相手の小手が自分の打ち込みやすい場所にあると感じていたからです。

その日から、私は小手を重点的に練習するようになりました。

スピードが重要な引き小手

小手の技にもいくつか種類があり、私は「引き技」に自信があったので「引き小手」を特に練習していくことにしました。

引き小手は、つばぜり合いの状態から相手をグッと押して下げ、自分の間合いに持ち込んだところに素早く小手を打ち込んで後ろに下がる技です。

この技を決める上で重要なポイントは「スピード」です。

引き小手を打った後、自分が後ろへ下がるスピードが遅いと相手に打ち込む隙を与えてしまいます。

この技は「一本にするのが難しい」と言われていることからも、スピードが命であることが分かりますね。

押す力が弱い人のやり方

しかし、中には「相手を後ろに押すくらいの力はないけど、引き小手をマスターしたい!」という人もいるのではないでしょうか。

そういった人は、相手を押さず、自分が下がれば良いのです。

この方法では、相手を押すときよりもさらにスピードが求められますが、力のない人でも引き小手を決められます。

必ず来る相手の反撃

「引き小手」は、私のように身長が低くても決められる技です。特に足さばきのスピードに自信のある人にオススメです。

引き小手を行う際に注意してほしいのは、「一本にならなかった時」です。

引き小手は、下がっている時に相手に追ってこられて面を打たれやすいのです。

そのため、「確実に一本にする」という気持ちで臨むことが大切になります。こちらの技が決まらなければ相手の反撃が来ます。自分の技を決めるためにも、相手の反撃をかわすためにも足さばきは重要です。

「剣道は足さばきが良ければ上達する」とも言われています。足さばきをしっかり練習しておいて損はありません。

私は、みんなより早めに道場に行き、すり足の練習をしていました。

身長が低い人が剣道で上達するには?

こういった自分の経験から、剣道では身長が高いか低いかは問題ではなく、自分に合う練習方法や、自分が得意とする技を見つけられるかどうかが重要だと思いました。

私のように身長が低いと悩み、なかなか勝てずに歯がゆい思いをしている人がいれば、ぜひこの「引き小手」を試してみてください。

あなたが伸び悩む原因はもしかしたら、今の練習方法や磨いている技が自分に合っていないだけかもしれません。

また、悩んだときは顧問の先生や指導者の方、または先輩や同級生に相談するのもおすすめです。

私は顧問の先生や先輩のほか、グングン上達していく同級生にも進んで質問していました。

しかし、同級生に質問するのはなんとなくカッコ悪く感じますし、プライドが邪魔をしてしまいますよね…。

私も初めはそうだったので分かります。

とはいえ、上手な人に教えを乞うのは何においても大切なことであり、そのためにプライドを捨てるのは悪いことじゃないし、恥ずかしいことじゃないと思いますよ。

(文・トラマル)