高校時代柔道部に入部した。柔道部は体重別の階級があり、私の時代は48キロ級以下級から始まり、52キロ以下、56キロ以下、61キロ以下、64キロ以下、67キロ以下、74キロ超級、と分かれていた。
この中でも一番競技人口が多いのが52キロ以下、56キロ以下だったように思う。うちの部でも普段の体重で言えば私を含め56キロ以下級クラスが3人もいた。
高校女子柔道での減量経験
同じ学校から出られるのは1階級1人まで。よって、3人のうち1人は減量、1人は増量となった。私が減量しなくてはいけなかったのは、じゃんけんに負けたからである。
とは言っても中学時代8キロのダイエットに成功していた私は内心余裕だと思っていた。(ちなみに、中学時代のダイエットではきっちりリバウンドした。)
こんにゃくだらけの減量メニュー
とにかく摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やす、これで行こうと思い、ご飯を炊く際糸こんにゃくを細かく刻んだものを入れた。
半分以上こんにゃくのそれはべちゃべちゃとして全く美味しく無かったが、食べた時は満腹になったので良しとした。
ちなみにオカズにもこんにゃくを採用。主食もオカズもこんにゃく。味濃く煮てお弁当箱につめ、もそもそとご飯を食べた。
ゴミ袋を着て柔道の稽古
そして部活であるが、減量に入るとみんなTシャツの上にゴミ袋を着た。頭を出す部分、腕を出す部分をハサミで切り着用するのだ。おそらくサウナスーツ的な意味合いだったと思われる。
とにかく汗を出し体重を減らせと先輩に言われていたので、先輩に習い減量組はみんなそれを着、その上にさらにジャージを着込み、道着を着た。冬ならまだしも真夏の減量は地獄であった。
ただでさえ40度近くなる道場で、動くたびにビニールのシャカシャカした音を立てながら私達は練習に励んだ。
こんにゃくばかりでろくに食わず、よく倒れなかったなと思う。若さなのかなんなのか。
もちろん汗を出しても痩せる訳ではないのは今の時代では常識だが、その頃の部活と言えば「部活中は水を飲んではいけない」がまかり通っていたのだから、先輩がゴミ袋着てりゃ、私達も何も疑わずに着なければいけなかったのである。
息子の減量は正しい方法でサポート
ちなみにうちの息子も中学校高校と柔道部だったため減量を経験している。もちろん私は、ゴミ袋着て練習しろ、などというアドバイスはしなかった。
私が彼にやってあげたのは高タンパクで米はちょっと少なめ、脂質はかなり控え目、と言う食生活の管理のみ。
タンパク質が多くなると便秘しやすいため、水はたくさん飲ませたし、海藻類は積極的に食べさせたし、こんにゃくのフルコースはしないが、こんにゃくはなかなか強い味方になった。大量に玉こんゃくを煮て、腹が減ったらこんにゃく食っとけ作戦である。
しかし3日後に試合を控えてあと1キロが落ちない。しょうがないので全ての料理から塩を抜いた。前日からは水も控えさせて、無事計量をパスできた。塩と水を抜くのは、一時的なら減量にはきく。ただ夏場は本当に怖いので、あくまで短期でやること。計量後にはすぐにスポーツドリンク飲み、水分と塩分を補給することを忘れずに。
カロリーを削るだの減量方法の問題点
ただひたすらカロリーを削った私よりも、息子の体重の落ちは順調だったように思う。もちろん体格も性別も違うから比較しにくいのだけど、私は途中でいくらカロリーをおとしても体重が落ちなくなった時もあったし、減量を繰り返すとやはり落ちにくくなってくる。
体力面でも万全で試合に出れはしなかった。息子は体力の落ちも感じず試合に出れたようだ。
今考えるとわずかなカロリーでハードな部活をしていたのだから不健康極まりない。そして何より、テレビで食べ物が出る度に涙が出るくらい食べ物への執着がすごくなった。
試合のため、と歯を食いしばったが、食べたい気持ちが募りすぎて部内では減量組による「食べたいものリストノート」が流行った。そのノートに呪いのように、計量が終わったら食べたいものを書いていった。
そして試合前日の計量後は走ってコンビニに行ってノートに書いてたチョコやらパンやらを買い込んだものである。今は部活でも減量指導とかちゃんとするのだろうか。それとも我が母校ではまだゴミ袋を着てシャカシャカ練習に励んでいるのだろうか。気になるところである。