高校女子剣道で、選抜予選優勝候補が初戦敗退したときの大将だった話

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私は中学校の時に、剣道部に所属していて高校選びも剣道が思いっきりできるところと思い、私の住んでいた地域で一番剣道が盛んなK高校を選びました。

運動も勉強も両方に力を入れている高校で、剣道部は関東大会、インターハイ常勝校でした。私が生まれ育ち、今でも剣道を続けている茨城県は、剣道がとても盛んで、全国から剣道のトップレベルの人たちが集まっています。

関東大会もインターハイも必ず茨城県の高校が優勝または上位にいます。

「茨城を制する者は全国を制する」と言われるほど茨城の剣道レベルは高いのです。

インターハイ予選、頼もしい先輩たち

そんな茨城県で生まれ育ち、剣道をして、高校生になって自分の実力が全国でどのくらい通用するのか、とても楽しみにしていました。

高校1年生の5月にインターハイ予選がありました。私は先輩方との試合で先鋒として試合に出させていただきました。

その際の決勝戦で2-1の大将戦となり、大将が2本負けした瞬間に私たちのチームが負けという状況でした。

そんなプレッシャーのかかる試合で大将は2本勝ちしてチームは優勝しました。高校剣道の圧倒するような力強さ、気迫を体の芯から感じ、先輩方の背中を見てついていきたいと思いました。

先輩たちを超えるための厳しい稽古

3年生は引退して、私たち1年生2年生の代となりました。

私たち剣道部の顧問の先生、M先生は、試合が終わるたびに「優勝を目指さないものは決勝にすらいけない」。そう言っていました。

その言葉を胸に、厳しい稽古にも取り組んでいました。3年生が引退して、残された1年生2年生で3年生の記録を越そうと、もっと歴史を残そうと思っていました。

厳しい稽古をして、招待試合では常に記録を残していました。そんな時に迎えた1年生の1月、選抜予選がありました。

高校剣道、選抜予選で初戦敗退

結果からお話しすると、常にどんな試合でも上位にいた私たちが選抜予選で初戦敗退しました。

前日の男子の試合で、K高校の男子は3位になり、その流れに乗ろうと、男子の結果を越したいと思いました。私たちK高校の女子は第4シードでした。

相手の試合を見学し、アップをして最終調整をしました。

大将の私に回してくれれば何とかする!

相手の学校の大将は、国体の候補選手にもなっており国体の強化合宿などで私は何度も対戦している相手でした。

私は、相手の剣風も理解しているため、大将戦まで回してもらえれば何とかなるとみんなに伝え試合に向かいました。

先鋒引き分け、次鋒1本負け、中堅引き分けで、副将戦となり引き分け以上でないと私のチームは負けでした。

高校剣道は1試合4分です。もう4分たつという時、こちらが面を打とうとしたときの相手の小手、出小手で1本を取られてしまったのです。

取り返さなければチームは負けという緊張感が走った瞬間、試合の終わりを迎えるブザーが鳴りました。

後ろのホワイトボードに貼られているスコア表をみんなが何度も何度も見ていました。負けが決まった瞬間の会場のざわめき、顧問を務めるM先生のあの時の表情を苦しいほど覚えています。

優勝候補の奢り?挑戦者であることを忘れていた

優勝候補とまで言われていた私たちが、初戦敗退をしました。

その後のミーティングの時にM先生に

「これが実力だ。」

その一言だけを言われました。

全試合を見て、学校に戻り生徒ミーティングを行いました。どうして私たちが勝てなかったのか、何が足りなかったのかを答えが見つかるまで、何度も何度も意見交換をしました。

技の精度、気剣体の充実、たくさん考えました。しかし、私たちが負けた理由はそんなことではありませんでした。

私たちは、優勝をすることだけを考えて、目の前の試合を意識できていなかったのです。

相手は、シードである私たちに勝とうと必死で立ち向かっていました。私たちはそんな相手を迎えいれるだけで、その準備を何もしていなかったのです。

私たちの敗因は、地に足をつけられていなかったこと、常に挑戦者であることを忘れていたことでした。

少し厳しい稽古をしただけで強くなったと勘違いしていたことに、その負けを通じて気づかされました。

反省を生かして一年後に優勝!

負けてはいけない試合でしたが、負けなければ気が付けないことでした。あの日以来私たちは、何よりも初戦を大切にし、すべてのどんなに小さい大会でも挑戦者だと思い試合を迎えるようになりました。

そうすることによって稽古への向かい方、試合までの道のりに変化を生むことができました。そうして一年後の同じ大会、同じ対戦校に着実に勝ち、私たちは優勝しました。

「これも君たちの実力だ。」

その試合後にM先生に言われた一言です。

負けることは大したことじゃない。負けた後に、自分の心に打ち勝つことこそが勝利だと、本当の意味で勝ちを得られるのだと感じました。