イラン初のK-1王者誕生!2Mの長身シナ・カリミアンの魅力

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2018年K-1初代クルーザー級トーナメント決勝戦シナ・カリミアンvsブバッカ・エル・バクーリの1戦について紹介したい。

新生K-1にクルーザー級が発足

前年の2017年には新生K-1初のヘビー級トーナメントが開催され、外国人無双が繰り広げられた。ヘビー級層が人気を増してきたところでその1階級下のクルーザー級が発足した。

体重の上限が決まっていないヘビー級に比べ、-90kgのクルーザー級では体格に劣る日本人にもチャンスがある。しかし、決勝戦まで駒を進めたのはイランから初参戦した2Mの巨人、シナ・カリミアンとモロッコの打撃系ファイター、ブバッカ・エル・バクーリであった。

両者ともに1回戦、2回戦で日本人ファイターの夢を打ち砕き決勝へと上がってきた。長身のカリミアンのテクニックと威圧が上回るか。連続KOで波に乗る剛腕バクーリが巨人をノックアウトするか。カリミアンが勝てばK-1初のイラン王者誕生となる。

シナ・カリミアンvsブバッカ・エル・バクーリの試合展開

剛腕バクーリが1Rから得意のフックでカリミアンを襲う。バクーリの右フックが伸びてくる。カリミアンは少々やりづらそうな様子だ。

顔面のみならず、ボディへも攻撃をするバクーリ。やや効いた様子のカリミアンが後退し、コーナーを背にした。カリミアンも膝蹴りでボディフックへのカウンターを狙う。上背で優るカリミアンは膝を挙げただけでバクーリの顔面に膝がとどく。

1Rはバクーリの攻めが目立っている。

2Rもバクーリの打撃は顔面そしてボディを捉え、カリミアンが後退する場面が見られた。しかし、タフなカリミアンはそれでも隙をついては前に出て膝や蹴りを多用していく。

バクーリにやや攻め疲れが見られた瞬間、カリミアンのバックハンドブローが入り、バクーリがダウン。立ち上がるも若干足元がおぼつかない様子だ。

やや回復し、ダウンを取り返しにきたバクーリは3Rも攻めていく。何度かバクーリのフックは入っているが、顔をずらしてクリーンヒットは免れていたカリミアン。テクニシャンな一面も持っている。

試合終了20秒前、バクーリの右フックが入るがカリミアンは倒れない。スタミナの消耗とカリミアンの足技で削られたバクーリはもはや前にでることすらできない。

一方のカリミアンは無尽蔵のスタミナでバクーリに最後までボディへの膝からのフックで攻めた。結果は判定2-0でカリミアンがイラン初のK-1王者に輝いた。

従来の長身タイプとは異なるシナ・カリミアンの魅力

イラン初のK-1チャンピオン誕生により、K-1の歴史に新たなページを刻んだ。シナ・カリミアンは恵まれた体格のみならず、スピード、スタミナ、技の引き出しに優れていた。

身長2M以上とは思えないほどのスピードに加え、スタミナでも相手選手を上回る。

かつてのK-1ではセーム・シュルト、チェ・ホンマンらの2M以上のファイターの出現でK-1巨人最強時代が到来したこともあった。

しかし身長選手は頻繁なクリンチや技の攻防のスピードに欠けるなど退屈な試合展開をするイメージが根付き、ファンの間には不満の声もあった。

しかし、シナ・カリミアンは従来までの巨人ファイターとは異なり、自ら前に出て、インボクシングのファイトスタイルを見せた。観衆からしてもこのアグレッシブな攻防は見ごたえがあっただろう。

カリミアンのファイトスタイルは新生K-1のアグレッシブなファイトスタイルに適していた。

ところでイランというと中東情勢の緊張や核開発など、報道を通じてマイナスイメージを持つ人もいるかもしれない。当然のことながらスポーツや芸術は万国共通で正当に評価されるべきだと個人的には思う。

世界情勢が介入することのないスポーツの分野、このK-1を通じて、イランのイメージを変えるきっかけになればと思った。

(文・Totty)