単なる連絡技ではなく、一本を取る投げ技としての大内刈りのコツ

小学2年生の頃に始めた柔道が大好きで週に3回の練習が楽しみで楽しみで家でも練習していました。

そんな柔道が大好きな私ですが、実はとてつもなく不器用で教えてもらった技を何回も何回も練習しないと形にすることができませんでした。

初めて教わった柔道技は背負い投げでした。背負い投げは、柔道をやっていない人でも意外と知られている有名な技です。

そして、ここでのテーマである大内刈りはこの背負い投げとセットで練習することが多いと思います。

背負い投げの連絡技としての大内刈り

背負い投げを得意とする有名選手には、バルセロナオリンピック金メダリストの古賀稔彦選手やオリンピック3連覇を成し遂げた野村忠宏選手などがいます。

不器用な私が上手く背負い投げを決めることが出来ず悩んでいると、背負い投げに入る前に大内刈りという技で崩してから背負い投げに入るようにと先生に言われました。

その当時私は、大内刈りを崩し技の一種としてしか考えていませんでした。

その後、中学を卒業して地元の私立の強豪高に入学しました。高校の監督は、日本代表として世界で活躍していた選手で、様々なテクニックを教えていただきました。

そうした中で、私の大内刈りも単なる崩しのための技から投げ技へと進化していきました。

一本を取る投げ技としての大内刈り

高校の柔道部で私は初めて大内刈りは崩す技ではなく、投げる技だということを教えていただきました。それをきっかけに私の得意技が大内刈りとなりました。

確かに大内刈りは前技の連絡技として行われることが多い技で、相手の脚の内側を自分の脚で絡めて後方に刈り倒す技です。

私は、それまで大内刈りは相手を崩すための技だと思っていましたが、考え方を改め、立派な投げ技として習得することで高確率で一本を取れるようになりました。

大内刈りは、相四つやケンカ四つ問わずに掛けやすい技で、斜め方向に入る斜め大内や後ろに掛けるシンプルな大内刈りと2種類あります。

前に投げる技ばかり練習していた私は、対戦相手にとても警戒されていたため相手の重心が常に後方にありやりにくかったのですが、大内刈りを覚えたことによって、前に投げる技をフェイントに使い後方に投げる大内刈りで一本を取ることができるようになりました。

背負い投げや内股などに比べ、投げた時のかっこよさやインパクトには欠ける大内刈りですが、地味な技だからこそ試合中あまり意識せずに相手は軽く受けてしまうため一本が取りやすいと私は思います。

こういった地味な技を極めることができれば、インパクトのある技をより一層強力に掛けることも可能になってくると思います。

大内刈りのコツ:軸足は真っ直ぐ踏み込む

大内刈りを掛けるポイントとしては、大内刈りを掛ける際に相手に対して軸足を真っ直ぐ踏み込み、自分の身体を相手の身体に真っ直ぐ合わせる必要があります。

軸足が真っ直ぐ相手の方に向いていないと、その分身体を回しながら大内刈りを掛けなければいけなくなるため、返されるリスクが高まります。さらに、上半身を回さなければいけないため、腰を怪我する恐れがあります。

なので軸足は真っ直ぐ踏み込み大内刈りを掛けるように心がけるとよいです。

大内刈りのよくある間違い:刈り取る脚を上げる

大内刈りで良くある間違いとしては、相手の脚を刈り取る脚を上にあげてしまうことです。

大内刈りは、名前の通り、脚を刈り取り投げる技です。脚を上に上げてしまえば刈り取ることができません。そのため大内刈りに入る時は、親指が畳にするぐらいの低さで、コンパスのように半円を描くように掛けます。この時、若干自分の方に脚を引きながら半円を描くと投げやすくなります。

大内刈りの一番のポイントは、相手の重心を刈り取る脚に掛けることです。釣り手と引手を漢字の八を書くように下方向に圧力をかけ脚を刈り取ります。下方向に圧力をかけないと相手がケンケンしながら後方に逃げてしまうので、必ず下方向に圧力をかけて逃げられないようにしましょう。

(文・りょー)