私は社会人2年目のときにキックボクシングを始めました。
小学生のときには伝統派空手をやっており、約10年間続けました。昔から格闘技が好きでした。
そこから大学生になり、社会人になり運動から遠ざかる生活をしていました。特に社会人1年目は仕事に慣れないため、気持ち的にもいっぱいいっぱいな生活でした。
社会人2年目でようやく仕事に慣れてきて何か運動をしたいなと思っていたときにキックボクシングを始めました。
キックボクシングで最初に教わったミドルキック
一番最初に教えてもらったのはミドルキックでした。1発ミットを蹴ってみてと言われて蹴ってみると、
「空手の回し蹴りだね。空手やってた?」
と言われました。
10年間も空手をしていたので蹴り方が体に染み付いていたみたいです。そこからキックボクシングのミドルキックを習得するのには非常に苦労しました。教えてもらったミドルキックをやってみようと思っても体が思うように動かないもどかしさがありました。
空手とキックボクシングの蹴りの違い
空手の回し蹴りとキックボクシングのミドルキックの違いを説明したいと思います。
伝統派空手の中段回し蹴りの特長
まず伝統派空手の回し蹴りの説明をします。左構えの場合、右足が後ろになります。
右足を膝から外側に上げ、腰を回転させながら膝を寝せて足の甲でパチンと蹴ります。
キックボクシングのミドルキックの特長
次にキックボクシングのミドルキックについて説明します。空手の回し蹴りとの決定的な違いはどこで蹴るかです。
回し蹴りは足の甲ですが、ミドルキックではすねを使います。蹴り方は左構えの場合、左足で踏み込むと同時に右手を頭の左側に上げます。その次に上げた右手を振り下げる反動を利用して腰を回転させつつ、右足を相手の横腹めがけて一直線に振り上げます。
空手の回し蹴りは足と腰を回して横から蹴るイメージが強いですが、ミドルキックは一直線に蹴ります。空手を長くやっているとミドルキックと回し蹴りは同じ感覚でやってしまうので、うまく蹴ることができません。
ミドルキックは強い力で蹴るので、空手みたいに足の甲で蹴っていると怪我にもつながります。
キックボクシングのミドルキックを分解して練習
違いを理解したら、練習あるのみです。ですがフォームを理解したからと言って簡単にできるものではありません。
がむしゃらに打ち込んでもあまり効率がよくありません。フォームを理解したら、そのフォームを体に染み込ませる必要があります。
「踏み込んで右手を上げる」まずはこの動作からです。
空手にはない動作なのでしっかりと体に染み込ませます。その次に右手を振り下ろしながら膝を上げて腰を回転させる動作です。ここではまだ蹴らなくて大丈夫です。
最初は右手の振り下ろしを意識します。右手の振り下ろしの反動を使って腰を回転させます。最後に膝を伸ばしてミドルキックの完成です。
伝統空手出身者がミドルキックを難しく感じるポイント
ミドルキックでは膝から先を意識しすぎて空手の蹴りにならないように注意します。膝から先はあくまでも右手の振り下げと腰の回転の勢いのまま自然に投げ出すイメージです。
ここが難しいポイントだと思います。空手の蹴りが染み付いていると、どうしても膝から先を意識してしまいます。ここを繰り返し繰り返し練習する必要があります。
最初はスローモーションでやります。形が染み付いてきたら、勢いを大切にして膝を投げ出すイメージで動きを体に覚えさせます。ここまできたら回数を重ねるだけです。
ミドルキック上達の目安と面白さ
このようなミドルキックの練習を半年程度続けてようやくキックボクシングのミドルキックができるようになりました。
このミドルキックができるようになると格段に威力が上がります。空手の蹴りの場合はミットを蹴る音が「パシッ」と軽い音でしたが、ミドルキックができるようになると「スパン!」と音が変わります。
音が変わることが、ミドルキック習得の1つの目安になるかもしれません。
ミドルキックを習得できれば、コンビネーションの幅が広がります。ワンツーミドルキック、ワンツーフックミドルキックなどいろいろ組み合わせることができます。練習中もこのタイミングでミドルキックを打つことができるか考えるのが楽しくなります。
伝統派空手の蹴り方が体に染みついているとミドルキックを習得するのは難しいかもしれませんが、違いを理解して正しいフォームで練習すれば必ず習得できます。諦めずに続けることが大切です。