弓道には射法八節と呼ばれる基本的な動作があります。
足踏み・胴造り・弓構え・打起こし・引分け・会・離れ・残身です。
この内の「会」という動作は、具体的に弓を引いた後の矢を放つ前の動作になります。よく、弓道といったらこの動作をイメージする人が多いと思います。
この会は基本的に7秒程度あるのが理想です。理由はいろいろありますが、長くなるのでここでは省略させていただきます。この会が何秒も持たない場合やまったくない状態のことを早気といいます。
弓道の会と早気とは
私は早気にかなり悩まされていました。早気になると、的中率が安定せず結果にバラツキが生じてしまいます。
団体戦のメンバーだったので、毎日不安定な結果でメンバーにもかなり迷惑をかけてしまいました。
早気は、体力的な課題というよりかは精神的な課題です。弓を引くわけですから多少の筋肉は必要ですが、ある程度あれば大丈夫であって、大事なのはメンタルコントロールです。
早気の原因
そもそも早気になる原因はいくつかありますが、私の場合、会を持たなくても的中するということが分かったからです。
会を持とうと思えば持てる気はするけど、会を持たなくても中るならいいかという気持ちが最初の原因です。
他に考えられる原因は、「会そのものが怖い」などがあります。私の場合、最初は会を持たなくても中るのですが、徐々に的中率が下がりメンタル面に影響を及ぼします。
なんで私って周りの人みたいに会を持てないんだろう…。会を持てといろんな人に言われて分かってるんだけど、いざ的を目の前にすると持てない。どうしよう…と、こんな感じでメンタル崩壊しかけていました。
早気を改善する練習法
いつまでたっても早気が治らないのも辛かったので、外部指導の先生がいらっしゃった時には徹底的に指導を受けました。
それまでは、先生や仲間に自分の射を見られるのが恥ずかしくて嫌でしたが、そんなことをいつまでも気にしていたら何も成長できないと思い、積極的に先生に相談しました。
ゴム弓を使った練習法
具体的な練習方法としては、まずは的前に立たずに普通のところでゴム弓で会を持つ練習をしました。
ゴム弓とは、棒にゴムをつけた、いたってシンプルな道具です。ゴムなのであたってもさほど痛くはなく、練習場所も問わないのでとても便利です。
巻藁を使った練習法
それでしばらく練習した後、巻き藁で練習しました。巻き藁は、至近距離で矢を打つことができます。射形を意識しながら、会を持つ練習をしました。
自分で会が持てないと思ったら、誰かに秒数を数えてもらい、意識的に改善するようにしていました。
的前での練習法
巻き藁でも会をもてたら、いざ的前で練習します。先生に見てもらいながらではありますが、会を持てるようになっていきました。
心の中で秒数を数えると焦ってしまうので、好きな食べ物を5種類唱えてみたり、昨日の夜ごはん何だったけ?みたいに考えたりしました。また、自分の射をだれかに動画で撮ってもらったりしました。
毎日ノートに書く
他には、メンタルコントロールも大事だと思っています。自分がなぜ今、会を持つことができないのか。それを毎日毎日ノートに書いてました。
どういう気持ちの時に会が短くなってしまうのかその日の的中率はどうだったのかなど。もちろん、先生や仲間からのアドバイスも書き留めておきます。
絶対忘れないようにするためにもそのノートは大事です。
会を持てたら的中率を上げる練習に
先生の指導の下で、成果として初めは的中率関係なしに会は持てるようになりました。しかも、継続的に。
ただ、弓道は競技なので中らなければ意味がありません。的中率を向上させるためにも、会を持てたら次は的中率に視点をあてて練習しました。
そこからは、日々の練習量だと思っていたので、誰よりも練習したくさん弓を引きました。