K-1からPRIDE王座を狙うミルコ・クロコップ!ヴァンダレイ・シウバとの再戦

2006年PRIDE無差別級GP準決勝。ミルコ・クロコップvsヴァンダレイ・シウバの試合について紹介したい。

ミルコ・クロコップvsヴァンダレイ・シウバの再戦

両者は過去にPRIDEのリングで対戦経験があり、当時K-1から参戦したばかりのミルコがミドル級王者のヴァンダレイと対戦。

決着はドローとなっただけに両者にとっても白黒はっきりつけたいところだ。

ミルコはコンプリートファイターとして打撃、サブミッションにも対応できるMMAファイターへと進化した。

2005年はヒョードルとのPRIDEヘビー級王者の座をかけて争うも判定で敗れた。1年ぶりの自身のトーナメントで念願のPRIDE王者になることを強く望む。

対するシウバもPRIDEミドル級絶対王者として君臨。怪我により欠場したヒョードルに代わって今トーナメントに参戦した。

2回戦で1階級上の藤田和之と真っ向から打ち合い、KOで勝利し、階級上でもその強さを知らしめた。

ミルコ、シウバともに前回の試合には納得がいっておらずこの再戦への想いは最高潮に達していた。ファン待望のビッグマッチ。あの頃とは違うと、両者が互いの威信をかける。

ミルコ、得意のミドルキックからの左ハイキック

4年前と同様に興奮気味に睨みつけるシウバに対して冷静に相手を見つめるミルコ。

ゴングと共に会場は歓声に包まれた。1R開始から打撃戦が繰り広げられた。シウバの打撃力も相当だが、ミルコは冷静に対処している。

若干圧力をかけているのはミルコの方だった。また、階級上のミルコはパワーでも上回っている。ミルコのストレートがガードの隙間から入り、シウバがロープ際に後退する。

苦し紛れにシウバがタックルに入るが不本意にもミルコにマウントを許してしまう。マウントからミルコの鉄槌がシウバを襲う。

シウバは下からサブミッションを仕掛けようとするも、容赦ないミルコの打撃を何発も被弾していた。シウバの片目はかなり腫れていてドクターチェックが入る。

試合が再開されるも片目はほとんど見えていない。両者スタンドの展開に戻り、シウバのフックがミルコを捉える。シウバにもPRIDEミドル級王者の意地がある。そう簡単に負けられない。

しかし、ミルコのミドルキックがシウバのボディを削る。かなり重い一撃だ。再びミルコが蹴りの体勢に入った。ボディに意識がいくシウバにミルコの左ハイキックが炸裂! 頭頂部に入り失神したシウバが倒れる。衝撃的瞬間に会場は混沌に包まれた。

K-1からPRIDE王座へ。ミルコの執念

ミルコ・クロコップvsヴァンダレイ・シウバの再戦は衝撃的な結末だった。

頭頂部から出血したシウバが倒れていた。ミルコの顔に笑顔はなかった。

あくまでもトーナメントの通過点としか見ていないようだ。最初の対戦とはレベルが違う両者。ミルコはそれ以上に進化していた。

過去にもミルコにはベルト戴冠のチャンスは存在していた。2003年のノゲイラ戦では逆転1本負け、2004年はまさかの1回戦KO負け、2005年はヒョードルに僅差で判定負け。

ミルコの実力はトップクラスであったが王座獲得には恵まれなかった。

負ける度に弱点を無くしていく。ミルコほどのコンプリートファイターは格闘技界においてそういないだろう。K-1からMMAに参戦したミルコがMMAトップファイターになることができたのはミルコが追い続けたPRIDEの王座獲得への執念。

彼はこのトーナメントで念願のチャンピオンに輝き自身初の王座を戴冠した。負けても這い上がり、貪欲にベルトを追い続けた男の執念がそこにはあった。

(文・Totty)

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