ついにこの漢がRIZINに参戦する時が来た。彼の名は金太郎。朝倉海、未来に続くアウトサイダー出身の26歳がRIZINバンダム級へと足を踏み入れた。
金太郎、アウトサイダーからRIZINへ
金太郎といえばマサカリ殺法の異名を持つ打撃と野生的ファイトスタイルでファンからも支持がある。
14歳の時に極道の道を目指し、反グレ同然のグループに所属していた。背中の刺青もその時に入れたものだ。
しかし15歳の時に少年院に入ったことをきっかけに更生し、格闘技の道を目指した。アウトサイダー参戦後は格闘技の才能を開花させ、DEEP、パンクラスといった国内メジャー格闘団体でその実力を知らしめた。
アウトサイダー時代では朝倉未来が対戦を熱望していたということもあり、RIZIN参戦が決まると一気に注目が集まった。対するは修斗を主戦場とする加藤ケンジ。彼もまたアグレッシブなファイトスタイルで金太郎にとっては侮れない相手であった。
金太郎vs加藤ケンジの試合展開
和彫の刺青をした両者が向き合う。アウトサイダーのような雰囲気がリングに充満している。
いつものRIZINのリングに見えないのは金太郎が持つ独特の雰囲気なのか。
試合開始で中央をとる加藤に対し、冷静な様子の金太郎。いきなり金太郎が左の大振りなフックを見舞う。クリーンヒットはしなかったものの当たれば間違いなく倒れる。
回避した加藤を追い続け、切れ味抜群のパンチでコーナーへと追い詰めた。獲物を狩っていく姿はまさに獣のようだ。加藤をコーナーに追い詰めた金太郎はいとも簡単にテイクダウンに成功。
加藤も下から金太郎の首を取りに行く。ギロチンの体制になるが浅く、すぐに外れた。金太郎のマウント状態が続き、加藤も下から三角絞めを仕掛ける。これを回避した金太郎がマウントから強烈な打撃を見舞っていく。
加藤も脱出しようと金太郎に背をむけた瞬間、隙を突き、金太郎がバックチョークの体制へと入る。かなり深く入っているようで加藤の顔が苦しい表情へと変わっていった。金太郎がレフェリーに加藤が失神したことをアピールし、レフェリーストップとなった。
異様なまでに冷静だった金太郎の衝撃のRIZINデビュー戦となった。
金太郎vs朝倉海もあり得る?
まさかの寝技での勝利となった金太郎。この試合ではまだまだ金太郎の底強さは見えなかったものの、打撃の切れ味は見えた。
かつての山本KIDのようなファイトスタイルと闘争心のある戦い。試合後の記者会見では次戦の相手についてもう少しビッグネームとの対戦を要求した。
そのビッグネームとは同じくアウトサイダー出身の朝倉海だ。
朝倉海との試合が実現すれば元アウトサイダー対決ということもあり、両者の打撃力にも注目が集まること間違いなしだ。
総合力では朝倉海が優っている気がするが金太郎の打撃力には何か番狂わせを起こす危険性を感じさせる。RIZINバンダム級前線の渦は金太郎の参戦によって更に混沌と化してしまったのか。
2020年のバンダム級は熱くなりそうだ。王者マネル・ケイプ筆頭に再起を誓う朝倉海、そして堀口恭二の復活。金太郎がこのトップ前線にどう影響を与えていくのだろうか。
(文・Totty)