UFC日本大会で見たヴァンダレイ・シウバ!RIZIN、ベラトールにも期待

2013年3月、当時アメリカを本拠地に置き、総合格闘技のトップに君臨していたUFCが、2012年に続き日本大会を開催しました。

その大会のメインマッチでは「ヴァンダレイ・シウバVSブライアン・スタン」のカードが組まれ、PRIDE時代からヴァンダレイ・シウバの大ファンだった私は、大会が行われた、さいたまスーパーアリーナまで観戦に行きました。

UFC日本大会、ヴァンダレイ・シウバへの期待

シウバの試合はどれもエキサイティングなものばかりで、勝っても負けても会場を熱狂の渦に巻き込んでいました。

しかしスタン戦を迎えるまでに連敗しており、UFCの代表であるデイナ・ホワイト社長からも「次の試合(スタン戦)で負けたら引退を勧める」と宣言されていました。

そのような状況でしたが、当時ミドル級に階級を落としていたシウバが、日本での試合を意識してか、PRIDEの頃のライトヘビー級へ階級を戻して試合が行われました。

大会は、メインカードまで判定決着が続き、今ひとつ盛り上がりに欠ける状態でしたが、場内のスクリーンで控え室のシウバの姿が映し出される度に、観客から歓声が上がっており、日本での人気の高さが伺えました。

ヴァンダレイ・シウバVSブライアン・スタン戦の始まり

セミメインのマークハントの試合が終わり、ついにシウバの登場です。

シウバもスタンも、両者殴り合いを信条とする者同士、当初の予想通り、1ラウンドから激しい殴り合いが繰り広げられました。

カウンターのフックを得意とするシウバに対しても、スタンは真っ向勝負でパンチを出し、挑んで行きました。

スタンにパンチで金網へ追い詰められるも、フックから得意の膝蹴りに持ち込みニヤリと笑うシウバ。PRIDE王者であった全盛期の雰囲気を取り戻したかのようでした。

何度かスタンのパンチを被弾し、その度に崩れ落ちそうになるシウバでしたが、日本のファンからの大歓声に後押しされたのか、金網を背にしてなんとか踏みとどまっていました。

得意の右フックを放つヴァンダレイ・シウバ

シウバのフックもスタンにヒットし、それを機に攻め込む場面もありましたが、1ラウンド終了時点ではややスタン優勢のような印象を受けました。

しかしながらどちらのパンチもヒットし、よろける場面があったため、どう転んでもおかしくないような、非常にスリルのある空気感で運命の第2ラウンドが始まりました。

スタンは1ラウンドの時よりもローキックを多用し、シウバのペースを崩そうとしたようでした。しかしシウバはスタンのローキックに対してカウンターのフックをあわせ、一進一退の攻防が続きました。

両者次の一手を出すタイミングを図っていたようでしたが、先に動いたのはシウバでした。飛び込んでストレート気味の右フックを打ち、それがスタンの顔面へクリーンヒット。

さらに左フックも続き、グランドに崩れ落ちたスタンに追撃のパウンドを落としたところでレフェリースがストップ。

この試合中何度もピンチに陥ったシウバが、逆転勝利をあげました。

RIZIN、ベラトールにも期待

デイナ・ホワイト社長から引退勧告されたという情報を知り、

「シウバの試合が観られるのはこれが最後かも知れない。」

そう思い、試合会場まで観戦に訪れた私でしたが、KOの瞬間は会場中の観客と一緒に立ち上がって喜びを味わいました。

ここまで試合が盛り上がったのも、シウバのファイトスタイルに正面から挑んでいったスタンの存在が大きく、控え室へ帰っていく姿に、暖かい歓声が送られていました。

「またシウバの試合が観られる!」という嬉しい気持ちと、私がまだ学生の頃に憧れたヒーローが、崖っぷちから這い上がる姿を見て、非常に感動したことを、今でも鮮明に覚えています。

その後、結局シウバはUFCを離脱しましたが、主戦場をベラトールに移し、現在も現役のファイターとして戦い続けています。

ベラトールと現在日本格闘技の中心であるRIZINは提携関係であるため、シウバの試合が日本でまた観られるのではないかと、楽しみにしています。

K-1からPRIDE王座を狙うミルコ・クロコップ!ヴァンダレイ・シウバとの再戦
2006年PRIDE無差別級GP準決勝。ミルコ・クロコップvsヴァンダレイ・シウバの試合について紹介したい。 ミルコ・クロコップvsヴァンダレイ・シウバの再戦 両者は過去にPRIDEのリングで対戦経験があり、当時K-1から参戦したばかり...