父親が高校時代レスリング部であり大人になってからはジュニアレスリングクラブのコーチをしていたためその影響で自分もレスリングを始めた。
最初は親にやらされている感があったがだんだんと練習を重ねていく内にレスリングをすることに楽しみを覚えていった。
初めて出た大会では2回戦まで進み2回目の大会で優勝することができもっと強くなりたいという気持ちが大きくなっていった。
全国チャンピオンになることを目標として、日々レスリングに取り組んでいた。
両足タックルと片足タックルの違い
私が得意だった技は片足タックルである。
レスリングのタックルには主に両足タックルと片足タックルの2種類がある。
両足タックルは相手の懐に飛び込み両足を掴んで相手を崩すレスリングの基本の立ち技である。片足タックルは相手の懐に飛び込むのは同じだが片足だけを掴み相手を崩す。
タックルで飛び込むには勇気がいる
レスリングをやったことがない人はあまりわからないかもしれないが実はタックルをするのには勇気がいる。
プロのレスリング選手は簡単にやっているが、相手との駆け引き、タイミング、スピードなど様々な要因が合致して初めてタックルが成功する。
相手の懐に飛び込む勇気に加えてタックルが失敗する可能性も高いという恐怖を抱えながらタックルをしなければならない。両足タックルは、相手の両方の足をとらなければならないため成功率が低い。
しかし私が得意であった片足タックルは相手の片足だけを取るため両足タックルよりも相手の足を取りやすく成功率が高い。
もちろん相手の両足を取った方が相手を崩しやすく、レスリング選手は常に相手に崩されぬよう構えている。片足だけでいかに相手を崩すことができるかということに片足タックルの面白さがある。
私はあまり両足タックルが得意でなかったため片足だけでどう相手を倒すかを重点的に考え練習していた。片足タックルのおかげで東日本大会で2連覇することができた。
片足タックルに入った後の崩し方
片足タックルはレスリングをやっている人なら誰にでも向いていると思われる。特にまだタックルをするのに恐怖があったり抵抗があったりする人には特にお勧めできる。
ただ人によってやりやすい、やりづらいがあるので自分に向いているタックルを探すのが一番である。
試合では片足タックルは相手の足は取りやすいのでそこからどう相手を倒すかがポイントになってくる。自分の場合は片足を取ったら相手の体をうまく倒すことができるように相手をコントロールするイメージでやっていた。
口では簡単に言えるが相手をコントロールすることは難しい。簡単に言うと相手の足を取り左右に揺すってみたり、押してみたり引いてみたり、自分が内外に回ってみたりと動きを入れながら相手を崩していく。
相手を分析し弱点を見つけそこを攻めるというのも有効な手段である。
また試合中に片足タックルを奥の手として使うのも有効である。相手に両足タックルを重ねながらここぞという場面で片足タックルを使うと相手は予想外のことが起きて対処が間に合わず倒れてしまう。
ただ1番は日々の練習である。自分に向いているタックル(タックルに入る角度や姿勢など)を見つけたり相手を倒すことのできるパワーをつけたりすることが非常に大切である。
レスリングは1対1でパワー、テクニック、スピードをぶつけ合う競技である。日本ではまだマイナーな競技であるからこそ上に行きやすいので大会に優勝したり選抜に選ばれたりと強くなっていくうちにどんどん楽しくなるだろう。