試合でテコンドーのかかと落とし!WTFとITFで使い方に違い?

私は中学生の頃からテコンドーを始め、現在は少年部、青年部でテコンドーの指導をしながら試合にも出場しています。

その中で私が一番得意としている技が「かかと落とし」です。

テコンドーのかかと落とし

「かかと落とし」はハングルで「ネリョチャギ」と呼ばれます。別名「脳天蹴り」とも言われテコンドーの代表的な技の一つです。

テコンドー選手ではありませんが、K-1ワールドグランプリの1996年大会で優勝された故アンディ・フグ選手が使用したことで有名です。

足を思い切り高く上げて振り下ろす動作でとても派手な技で、ある程度身体の柔軟性が必要とされます。テコンドーのデモンストレーションなどでは必ずといっていいほど登場しています。

見せるだけの技と思われがちなところもありますが特性がわかればかなり使えるわざです。ここでは試合でかかと落としを決めるための方法を話したいと思います。

テコンドーの2つの団体、WTFとITFの違い

初めにテコンドーは韓国の国技でオリンピック種目になっておりますが一般の人にはカンフーと見分けがつかないようです。

テコンドーには大きく分けて二つの団体が存在します。オリンピック種目でスポーツ要素の濃いWTFと武道的要素の濃いITFに分けられます。かかと落としの使い方も両方のルールの違いで使用方法が異なってきます。

WTFルールでのかかと落としの使い方

まずオリンピック種目であるWTFルールでは顔面へのパンチが禁止されておりパンチは胸部へのストレートのみとなっています。顔面パンチが無い分、接近戦になった際の外から内に回すかかと落としが非常に有効に使えます。

接近する事で相手の視野が狭くなり、剣道で言う「つばぜり合い」の形になります。この時上半身を崩さす横から足を上げても相手には見えにくく、気がついた時にはかかとが真上にあるという状態です。

顔面パンチが無いフルコンタクト空手などには使えると思いますが、顔面パンチの有る競技や、タックルがある総合格闘技などには向かないと思います。

ITFルールでのかかと落としの使い方

WTFに比べ武道要素の濃いITFの試合はストレートのみ顔面パンチが認められています。ここでは前足から一歩踏み込んで内から外に回すかかと落としが有効につかえます。

足を上げながら前に踏み込む、足で上半身を守りながら攻撃できるという強みがあります。これはいきなり出すというよりはサイドキックと混ぜてだすと有効です。

私は「かかと落とし」は他の格闘技でも使えるのかというのを考えることがあります。

以前キックボクシングの試合を行った際、外側から回してくる「かかと落とし」を披露しました。

対戦相手は予想外の動きに全く反応できず、結構ガッツリ頭に入りました。ただ私も普段から「倒す」練習ではなく「ポイントを取る」ことに重点を置いて練習していたため、あまりダメージを与えられず負けてしまいました。

テコンドーのかかと落としを試合で決めるには?

「かかと落とし」の動作が足を上げる、振り下ろすという2動作で、しかもパンチに比べ、かなりエネルギーを消耗する技のため使いどころを工夫する必要があります。

ある程度の柔軟性も必要となってくるため、身体が硬い人にはあまり向かないかもしれません。しかし見た目が派手なので挑戦してみる価値はあると思います。

例えばキックなどの試合ではハイキックと混ぜて外から内に回すかかと落としやローキックや足払いをすかされた後の内から外に回すかかと落とし、前蹴りのフェイントからのかかと落としなどが考えられます。

いずれにせよ、追い込まれている場合ではなく試合を有利に進めている状況のほうが良さそうです。ちなみに練習方法は天井からぶら下がっているヨーヨーの様なボールを毎日200回蹴るという練習をやっていました。

(文・マコ)