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村田諒太vsアッサン・エンダムの再戦…初めて観戦した中量級の迫力

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オリンピックゴールドメダリストとしてすでに十分な知名度を持ってプロに転向した村田諒太は、順調に世界ランカーとの試合をクリアしWBA世界ミドル級王座への挑戦権を手に入れた。

相手はフランス人ボクサーのアッサン・エンダム。実績は十分あるボクサーであったが、ついに村田諒太がゴールドメダリストと世界王座という2冠を手に入れる日が近いと予想された。

2017.5.20 最初の村田諒太vsアッサン・エンダム戦

アウトボクシングを繰り出すエンダムを、村田がプレッシャーをかけながら追い詰めるという内容であった。4回には村田が得意の右ストレートでエンダムからダウンを奪い、その後もエンダムの足がふらつく場面は何度か見受けられた。

しかし、この一戦は疑問を残す結果に終わったといえる。勝敗は判定により決することになったが、ダウンや印象的な有効打を打ち込んだ村田よりもエンダムの手数が評価を受け、2ー1でエンダムが判定勝ちを収めた。

この判定は世界各地のボクシング関係者から批判を受け、完全決着を求める声が高まった。そんななかで「村田諒太vsアッサン・エンダム2」の試合が決まり、私はどうにか村田が偉業を達成する瞬間をこの目に収めたいと思い両国国技館に足を運ぶことにした。

2017.10.22 村田諒太vsアッサン・エンダム 再戦

前座の試合でも日本人選手が勝利を収め、メインイベントに向け試合会場のボルテージは最高潮に高まりを見せていた。

試合が始まると前回の試合結果を意識し、明らかに村田が手数を出しながらプレッシャーをかけていた。この試合においてもエンダムがアウトボクシングを展開することは予想されていたが、逃げる方向などを予想しながらコーナーに追い込むシーンも多く見られた。

この試合が私にとって中量級を初めて生で観戦する機会であり、それまで日本人ボクサーの層が厚い軽量級を多く観戦してきた自分にとっては、ボクサーの身体の大きさやパンチの破壊力に圧倒された。

自分のなかではそれまで軽量級こそがスピードやテクニックが優れ、ボクシングの要素が数多く含まれた試合と感じており、なぜボクシングの本場では体重の重い階級が人気を集めるのかに疑問を抱いていていた。

しかし、普段軽量級の試合に見慣れていたためにボクサーの体が大きいミドル級の試合はリングが小さく見え、一発のパンチが当たる衝撃音が想像をはるかに超えていて、さらに一発のパンチで試合が決まってしまうのではという期待感さえ持たせてくれた。

徐々に村田のパンチがエンダムの顔をとらえるシーンが多くなり、明らかに村田がエンダムを追い詰めている様子が伝わってきた。この日は得意の右ストレートだけでなく、左のボディアッパーが有効でこれがフットワークを使ってアウトボクシングを展開したいエンダムの脚を奪っていたように思える。

そして、ボディを警戒してエンダムのガードが下がったところへ右ストレートが顔面をヒットするという好循環が生まれていた。そして、ついにその時はやってきた。6ラウンドを終えて、会場にはKO決着を期待する雰囲気が漂っていたインターバル中に、エンダム陣営が棄権を申し出たのだ。

村田はタイトル獲得を確信すると目に涙を浮かべながら、スタンディングオベーションで声援を送る観客に応えた。私自身、気がつくと立ち上がって全力で村田コールを送っている自分がいて、一夜にして今まで日本では感じることの出来なかった中量級の迫力に魅了され、さらに村田諒太というボクサーにも惚れ込んでしまった。

中量級で世界と勝負できる村田諒太への期待

世界初挑戦が30歳であり、先日2度目の世界タイトルを獲得し、現在は33歳。自らも「おっさんボクサー」と称し、取材では記者団から笑いをとる。

選手生命の短いボクシングにおいては正直引退も視野に入るベテランの域といえる。しかし、そんな村田は日本のボクシングにおいては、今や史上最高傑作と言われる井上尚弥にも引けを取らない貴重な存在である。

外国人に比べて身体が小さい日本人は軽量級が多く、なかなか中量級で世界と勝負できるボクサーが現れない。その中で唯一世界と対等にわたり合えるボクサーが村田諒太なのである。

さらに、その階級は世界でも人気の高い黄金のミドル級であり、カネロ・アルバレスやゲンナジー・ゴロフキンなどの実力者が数多く存在している。そこへ、五輪金メダリストという十分な知名度をもって参入した村田は世界的な注目度も高く、世界的に有名なプロモーターのボブ・アラム氏と契約を結んでいる。

これだけの期待が込められている村田には、日本ではあまり多く見ることのできない中量級の世界戦を最強の相手と行なって欲しい。かつてマイク・タイソンの興行が行われた東京ドームで、ゲンナジー・ゴロフキンを相手に世界タイトル戦を行なって欲しいと願うのである。

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