中学から高校へ進学し、空手の練習内容も変化しました。
当時の僕は、あまり深く考えて練習を行なってはいませんでした。
ただ試合で勝ちたい。
負けるたびに、反省点を見出し、それを補う練習をする。
フィジカル面での弱さは明確、技術面でも全く歯が立たないこともありました。漠然と強化はするものの、細かい部分についてまでは当時、突き止めることは出来ていませんでした。
高校の練習メニューはほぼ毎日同じメニュー。それをこなすというのが僕の入学した学校の練習でした。
高校空手の練習メニュー
まず礼に始まり、監督から今日の練習方針などの説明があり、ストレッチ、ウォーミングアップ、そして、どの競技にも大切なこと、基本の練習からのスタートです。基本稽古は必ずといっていいほど毎日やりました。立ち稽古での突き、蹴りの練習です。
その後にはすぐ組手の練習という流れで、単発攻撃、繋ぎ技、蹴りを混ぜた攻撃、相手の蹴りに対応する練習、距離を把握し、相手を誘い出し自分の間合いで勝負する練習。そして最後に実戦形式で部内の人間同士での試合。
毎日これを行います。いたってシンプルな内容ばかりで、ストレッチなどを含め時間にして約3時間程の練習でした。
空手の練習が毎日同じでいいのか?
果たしてこのような反復練習にどういった効果があるのかというのが一番の気になるところだと思います。
まず、僕が当時思っていたことをお話しすると
「強くなっている実感はなにもなし。これで意味があるのか?」
と、いつも思っておりました。
決まったことを毎日繰り返し練習し、実践練習をする。実践練習においてはその日のコンディション、対戦相手の違いなどで変化は見受けられるものの。特に練習の成果といったものは感じることが出来ないまま、これを丸々1年続けました。すると、ある変化が。
対外試合などで対戦するときになぜか勝ててしまうのです。そう、身体が勝手に反応するというイメージです。
僕はなぜ勝てるのか、なぜこうも身体がうまく反応してくれるのか、まったく理解もできないまま、勝てるからこのままでいいんだ、この練習方法で間違っていないんだって思うようになりました。
この練習方法の本質というのに気づいたのは引退した後です。
反復練習の本当の意味は
反復練習にはどのような効果があったのか。
同じ練習をひたすらやることで得られる自分への自信。これだけ単発攻撃の練習をしたんだ、これだけ繋ぎ技の練習をしたんだ、これだけ蹴りに対する反応の練習をしたんだ。そして数多くの実践練習。
結局この練習の内容をよく考えてみると、試合中の動きを1つ1つ分解した動きであるということに気づきました。この分解した行動を1つ1つ、重点的に練習することにより、試合での動きに繋がるということです。
そして僕は最終的にこういう見解にたどり着きました。
練習とは自信をつけるために何度も行なうこと。技術面の向上というよりも、自分に対しての自信を深めるものであると。
何事も継続は力なり。
(文・空手マニア)