佐々木大蔵、鈴木勇人との再戦に勝利しKrush2階級制覇!

2020年2月のKrushスーパーライト級タイトルマッチ。チャンピオン鈴木勇人vs挑戦者佐々木大蔵の試合について紹介したい。

Krushに舞台を変え、鈴木勇人と佐々木大蔵の再戦

鈴木勇人と佐々木大蔵は前年11月の横浜アリーナK-1大会で対戦し、この時は佐々木が撃ち合いで優位に立ち、完勝を収めている。

今回の対戦はKrushの舞台。前回の試合から僅か2カ月ぶりのダイレクトリマッチが実現した。リベンジに燃える鈴木にとってはKrushのタイトルも懸かっていることもあり、決して負けられない一戦だ。

佐々木にとってもKrushのタイトル挑戦は以前のゴンナパー戦以来となる。当時の敗戦からコツコツと実績を積み重ねてきた。まさに叩き上げのテクニシャンの如く、バランスの取れた安定型のファイターだ。

佐々木は一戦一戦勝利するたびに確実に強くなっている。ここでタイトルを獲得し、2020年のK-1のタイトル前線にも繋げたいところだ。リベンジに燃える鈴木と、悲願のチャンピオンへむけた佐々木。両者気持ちがぶつかる試合となった。

鈴木勇人vs佐々木大蔵の試合展開

1Rは蹴りを得意とするサウスポーの構えの鈴木勇人がミドルキックから攻撃を組み立てていく。リーチ差のある蹴りは彼の強みだ。

佐々木大蔵も相手の動きを見つつ下がる様子はない。近距離での撃ち合いになるとやや佐々木の方が1枚上手だ。また佐々木の前蹴りも鈴木のペースを徐々に崩している。

鈴木は前回の敗因として自身の持ち味でもある蹴りに依存しすぎたことで佐々木の打撃をもらってしまったこともあり、今回の試合では自からボクシングの展開にも持っていく。

2Rは蹴りを多用した両者だが、佐々木のコンビネーションも目立つ。鈴木も下がらずに前進しているがクリーンヒットまでには至らない。

中盤に鈴木のカウンターのアッパーが入るが佐々木は動じない。会場からは大蔵コールが溢れる。鈴木が前に出て距離を縮め、近距離での撃ち合いになる。

ここで佐々木のショートの右ストレートが鈴木の打撃に合わさりダウン。佐々木が一気にペースを握った。

立ち上がる鈴木にまたしてもサウスポーに合わせた左ストレートが入り、ややスリップ気味に鈴木が2度目のダウン。ここで2Rが終了。

3Rに突入し、後がない鈴木は果敢に前に出てくるも佐々木に冷静に往なされる。前に出る鈴木だが佐々木のコンビネーションで思うように自分のペースを作れない様子だ。

鈴木のフックが当たるも、佐々木の左ストレートが浅く鈴木の顔面に入り、さらに前蹴りが鈴木の顔面を捉える。残り10秒。前に出ようとする鈴木だが佐々木に往なされここで試合終了。

判定は2Rにダウンを2回とっていることもあり、大差で佐々木大蔵が制した。鈴木勇人も蹴り中心のスタイルではなく、打撃を織り交ぜて今回のリベンジに挑んだが、佐々木のスタイルを崩すまでには至らなかった。

Krush2階級制覇を成し遂げた佐々木大蔵

佐々木大蔵がスーパーライト級の王者に輝いた。これでライト級に次ぐ2階級制覇となる。地道な努力を真面目にコツコツと培ってきた実力が今の彼の強さの源であるだろう。

佐々木の過去に遡ればKrushのタイトルでゴンナパーに敗北し、K-1の決勝でゲーオに破れ、王座挑戦権のかかった大事な試合で安保に敗北するなど、あと少しのところでチャンスを逃してきた。

そんな佐々木がチャンピオンの座に就いた。基礎を極めたということなのかもしれない。ここまでバランスの整ったファイターも中々いない。

佐々木の性格上、試合後のマイクパフォーマンスでも謙虚に締め括ったが、彼の口からは3月のK’s festaでの同階級のタイトルマッチの安保、不可思についても言及した。佐々木にとってKrushのタイトルは通り道にすぎない。今後はK-1でもチャンピオン戦線に絡んでくることを期待したい。

(文・Totty)