ボクシングには様々なタイプのボクサーがいる。足を使ってアウトボクシングをするアウトボクサー。果敢に相手と打ち合うインファイター。足も使えて、打ち合いもできるボクサーファイター。
私がボクシングを始めたときに漫画の影響で巧みなフットワークを使うアウトボクサーに憧れていた。
しかし、階級の中では小柄でリーチが短い私はインファイター以外の道はなかった。仕方なくプロボクサーの有名なインファイターを参考にした。
左フックが当たらず「扇風機」のあだ名で呼ばれる
プロボクサーの試合を観ている中で私はあることに気づいた。
インファイターはフックでダウンをとることが多いことに。
そこで、私も左フックを実践したがあまり当たらず、指導者からは「扇風機」と不名誉のあだ名までつけられた。
左フックを当てるために必要なアッパー
扇風機のあだ名に腹が立った私は、何度も有名なインファイターの試合を観なおした。
すると、フックを打ち込む前にアッパーを打ち相手の上体をのけ反らせていることに気づいた。実践してみると直ぐには上手くいかなかったが、何度も練習し、次第に左フックが相手に当たるようになっていった。
なお自分自身は打つことは出来ないがアッパーとフックの中間的なものでスマッシュと呼ばれる技もある。海外の選手が使っているのをたまに目にするが、習得するのは難しいパンチの種類だと思われる。
リーチが短くても回転力を武器にできる
私の指導者は、「ボクシングは足し算」と言っていた。
左右の拳から繰り出される攻撃をいくつも組み合わせて「一番自分に合った攻撃を繰り出していく」これが重要だと。
今考えると、インファイターだった私にアッパーは必需品だったと思う。リーチが短い私は、いつも回転力(パンチをどれだけ出すことができるか)を考えて練習していたのでアッパーはいつしか一番の武器になっていた。
アッパーを習得した私は戦績の白星が一気に増えた。しかし、アッパーに酔いしれた私はアッパーにこだわってしまい他のパンチをおろそかにしていたと思う。
インファイターにアッパーは必須
私が考えるアッパーを習得するのに向いている人は、インファイターだと考える。
インファイターが一番向いている理由は、やはり接近戦の際に攻撃のバリエーションが増えるからだ。バリエーションが多い選手(欲に言う引き出しが多い選手)の方がなんでも対応できると。
逆に向いていない人は、アウトボクサーだと考える。アウトボクサーもアッパーを覚えることは無駄ではないが、自分自身の一番攻撃しやすい距離が接近戦ではないので、遠くから打てるストレートやフックを磨く方が効率的だと考える。
最後に私が考えるアッパーのポイントは某漫画のように大振りのアッパーカットを打つのではなく、「小さく打つ」所謂ショートアッパーから如何に他のパンチにつなげるか、コンビネーションを考える事が大事だと思う。