左フックを武器に県準優勝!ポイントは肘の角度、捨てパンチ

中学3年生の頃に、長谷川穂積選手の試合を観てボクシングをしてみたいと思い、部活でボクシングを始めた。

長谷川穂積選手と同じサウスポーになりたかったが、左のパンチの方が明らかに威力があり、私自身が不器用であった為オーソドックスとなった。

身長、リーチで劣るボクサーが直面した課題

ボクシングを始めるとすぐに問題に直面した。

私は階級にしては体重が重く、身長が低いのだ。

自分よりも身長が高い相手と試合をすると、ワンツーが相手の顔を捉える事が難しく、苦労した。

そんな時にボクシング部の先輩からある動画を紹介された。マイクタイソンの試合動画だった。

その動画では、マイクタイソンが自分自身よりも大きな相手をなぎ倒しており、私は感銘を受けた。

左フックでなぎ倒すマイクタイソン

繰り返し動画を観ていると、マイクタイソンは身長が高い相手に対し、左フックを何度も打ち込んでいたのだ。

その左フックを習得したいと私はその時考えた。

早速、左フックを練習してみるが、思うようにいかない。

サンドバッグやミットでは快音を響かせるが、実戦では的確に相手に攻撃する事は出来なかった。

左フックを武器に県準優勝に

繰り返し練習していると、友人から「もっとコンビネーションの中に左フックを入れてみては」と言われ、私は左フック単体ではなくコンビネーションの中に左フックを入れてみることにした。

すると、今まで効果のなかった左フックが相手の顔面を面白いように捉えるのであった。

それからも試行錯誤を繰り返し、その左フックは私の代名詞となるパンチとなった。

代名詞となったフックは県内では「バズーカフック」と呼ばれた。

他のパンチは大した事はなかったがそのバズーカフックで県準優勝まで勝ち進む事ができたのは私の誇りだ。

そして、そのバズーカフックに目をつけた現在プロボクサーの友人が私に教えをこいに来てくれたのは自慢である。

その友人も、試合でKO勝ちすると必ず、私にバズーカフックのお礼を言ってくれる。

どうやら、彼の得意技になったようだ。このバズーカフックに関わった人に感謝したい。

左フック(バズーカフック)のコツ

このバズーカフックをマスターするにはいくつかのポイントがある。

最初に右のパンチを出す

1つは、腰の回転である。

ボクシングは左右の拳で攻撃するスポーツであるが、バズーカフックを打つ前に基本的に右のパンチを打ち込む。

その右のパンチは捨てパンチ(いわゆる相手に当たらなくていいパンチ)で、次の左で相手を大きく巻き込むようにフックを打ち込む事が大切なポイントである。

肘の角度は90度と45度を使い分け

2つ目のポイントは、肘の角度である。

基本的フックを打つ際には、肘を90度にして打つように習う。

しかし、バズーカフックは肘を45度にしてフックを打ち込むのである。

身長差のある相手に対して、肘を90度にしてパンチを打ち込む事は難しい。相手がスウェーしたりブロックしたりするからだ。

そこで、バズーカフックでは肘の角度を調整し、90度のフックと45度のフックを使い分ける。

私の場合は、90度の左フックを接近戦に用い、45度のフックを遠距離や中間距離に使用していた。

捨てパンチを作る

そして、忘れてはならないのは、必ず捨てパンチを何個か作ることだ。捨てパンチがあって本命のパンチがある事を忘れずに本命のパンチの為に捨てパンチを作る事も忘れずに行って欲しい。

バズーカフックと言う名前であっても、相手に当たらなければ、ただの空砲である。

大切な事は、根気を持って日々の練習で適切にバズーカフックを打てるように繰り返し練習する事である。

現在のボクシングは、ストレートパンチが主流になっているが、1人か2人は竜巻のようなフックを打つフッカーが現れて欲しいものである。

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格闘技をする人なら誰もが得意技を持っている。 得意技の誕生には、センス、経験、成り行き、こだわりなど、色々な要素がからみあう。蓋を開けてみなければ分からないのが面白い。 60年代、ボクシングブームの真っただ中。1日も休むことなく...