中学校時代、問題ばかり起こしていた時、副担任で柔道部の顧問だった人に柔道を勧められました。
その顧問の先生は後々聞くと、某強豪大学出身の方でした。
柔道をいざ始めてみると奥深く、稽古はしんどいもののとても楽しく感じました。そして、高校に入ってもやろうと思い、私立の高校を一般入試で受け入部しました。
中学から始めた柔道で県大会ベスト8に
経験年数関係なく誰よりも強くなりたいと思った私は、毎日練習に取り組み、練習後も自主練を積極的に行いました。
そして、合宿や遠征も年に何度もありましたが強い人と何度も練習をしたり、先生方に指導していただいたりして、県大会でベスト8に入る事ができました。
ただ、結局はベスト8止まりで悔しい思いばかりでしたが…。
大腰の良いところ、悪いところ
私の得意技は大腰です。
大腰が向いている人は一歩踏み出せる度胸と絶対に勝ちに行くと思う強い気持ちだと思います。
大腰の良いところは技が綺麗にみえる部分です。そして、誰もが納得する一本が取れる事です。組み手で相手を制する事ができるので他の技にも応用でき、駆け引きの面でも効果的だと思います。
大腰の悪いところは、ポイントで勝つ柔道に徹する人が相手だと、技に入るチャンスがつかめずそのまま負けてしまうリスクが多いことです。
大腰を試合で決めるために必要なこと
大腰は、己の力で相手を倒せる必殺の技でもあります。
高校の時の先輩が大腰を試合で使っていたので少しアドバイスをもらいました。それをもとに自分の持ちやすい形、相手に密着してる状態または離れている状態など技の入りやタイミングを研究しました。しかし、簡単にコツをつかむことはできませんでした。
筋力強化で大腰が決まるように!
そして私が考えたのは強靭な背筋と絶対にブレない体幹、そして最強の下半身を作る事でした。
練習後に1日1種目ずつ、徹底的に鍛え上げる事でした。元々野球をしていたので、ある程度筋力はある方でしたが、柔道の世界では全くといっていいほど通用しませんでした。
しかし練習を続けることでどんどん身体も大きくなり、誰よりも強い背筋、体幹、下半身の筋肉を作りあげていきました。
そして、練習でも大腰がびっくりするぐらい決まるようになってきて練習試合でもどんどん使えるようになってきました。
私にとって大腰は一発逆転の必殺技だと思っています。そして、団体戦の時にはポイントゲッターの中堅に抜擢され勝率がグンと上がりました。
一本をとった技のほとんどは「己の力を信じた大腰」でした。個人戦の時もその成果もあってか決勝まで勝ち進むことができました。
しかし、優勝するという目標は叶いませんでした。その悔しさもあってか社会人になっても柔道を続けています。
右組み、左組みの両方で大腰に入る
社会人で続けていると、また強い人が現れました。そこでまた悔しさも出てきたので更に大腰を磨きました。
右組みの大腰を完全に警戒されていたので、左組みの大腰の練習を必死に練習しました。そして練習でもどんどん決まるようになり、右組み、左組みの大腰どっちもできるようになりました。
そして、試合で再びライバルと対戦する事になり、右の大腰は完全に警戒されて組み手争いでも負けていました。
私は「己の力を信じた大腰」を貫こうと思い、一瞬の隙をみて左の大腰に入りました。そこで、誰もが納得する一本を取ることができました。
リベンジに成功した私は感動に満ち溢れていました。柔道していて良かったと思える瞬間でした。しかし、まだ現役でいる限りは結果に満足せず、まだまだ上を目指していく事が強くなる近道だと思います。
(文・Shiin)