高校空手の先輩が見せた、キャプテンとしてのあるべき姿とは

僕の通っていた高校は、恐らく他の高校に比べて、上下関係がとても緩い高校で先輩後輩の仲も良く、休日にみんなで遊びに行くこととかもあるくらいでした。

2006年頃、3年生が引退し、新しいキャプテンが決まりました。これからこのキャプテンについて話します。

空手道部でのキャプテンの役割

まずキャプテンという役割は、単に実績のある選手や、強い選手が選ばれるというわけではなく、チームの先導にたって指揮を取ることができる選手が選ばれます。

普段の練習、遠征時の他校の先生や保護者の方達への挨拶、宿泊の場合は施設の方々への挨拶などを先頭にたって行ないます。

もちろん大会などの試合前のウォーミングアップの時や、選手達をまとめるのもキャプテンの役割です。

単にそういった指揮を執る役割だけでも、僕だと滅入ってしまうところですが、このキャプテンはこれらを全てこなし、その上、試合でも存在感を示しました。

頼りにされていた、負けないキャプテン

空手には個人戦と団体戦があります。キャプテンの役割が発揮されるのは団体戦のときです。

先鋒、次鋒、中堅、副将、大将という順番に試合を行ないますが、ほとんどの高校はキャプテンか、または一番強い選手を大将に起用します。僕の通っていた高校も、キャプテンが大将をつとめました。

普段から面倒見の良いキャプテンで、周りの同級生、下級生からの信頼もありました。しかし僕が一番のすごいと思ったところがあります。

それは、負けないところです。高校内でも一番強く、団体戦の副将戦が終わった段階で2-2なら、あとはキャプテンが何とかしてくれるという認識の下、試合を行なっていたようなところがあります。

もちろん、そういう考えで試合にのぞめるのは気持ち的にもとてもリラックスでき、実力を発揮しやすりという大きなメリットがあります。反対に、キャプテン自身にとっては大きなプレッシャーとなっていたはずです。ただ、そうした素振りを見せたことはありませんでした。

優勝候補のチームにも負けなかった

特に度肝を抜かれたのが、インターハイの2回戦の出来事です。相手は前年度優勝高校。もちろんその年の優勝候補でもありました。

この対戦で僕たちのチームは早々に3連敗を喫してしまい、敗退が決まりました。そんな中、キャプテンはただ一人、相手チームのキャプテンで、インターハイ個人戦の3位の選手と引き分ける接戦を演じたのです。

このとき僕は、この人は背負っているものが全く違うのだと悟りました。

その先輩が卒業した翌年、僕は副主将として指揮のサポートをする選手として過ごしました。

そこでいざ自分が負けたら敗退が決まる、という試合を何度も経験し、プレッシャーとの戦いが多くなりましたが、ひたすらその先輩の影を追ってきた僕。

俺も負けてはいけない選手なんだ。俺が負けたらだめなんだ。という気持ちで多くの試合を跳ね返すことができました。

高校の監督が話す言葉があります。

エース、キャプテンは相手が誰であろうと負けたらいけない。圧勝しないといけない。そいつが負けたらチームは負けるんだ

はたからみたらただの理不尽とも捕らえれますが、この言葉通りのことをやってのけたキャプテンのことは、これからの人生においても心の中に残り続けることであろうと僕は思います。

(文・空手マニア)