けんか四つで入る肩車!足を取れないルールで決めるコツ

私は小学校6年生のときに、3つ上の兄の影響で柔道を始めました。

家から1時間ほどかけて市街地にある町道場でした。そこの道場は基礎運動が徹底していて、とにかく長くてきつかったのを覚えています。

私は特に運動神経が良かったわけでもないので、最初は基礎運動をこなすだけで精一杯でした。

そのまま中学校でも柔道部に入部し、道場とクラブ活動の両方で練習していました。

そこまで目立った成績は上げられなかったですが、なぜか運がいいことに高校柔道部からスポーツ推薦のお誘いが来て、高校でも柔道を続けることにしました。

練習でいきなり決まった肩車!

中学校時代は内股が得意で、ほとんどの試合を内股で決めていました。しかし高校に入るとなぜか上手く投げられなくなってきて少しスランプに陥りました。

この時の私は何か新しい得意技を身に着けなければと焦っていました。

今ではYoutubeで検索すれば参考になる動画を簡単に見つけることができます。ですが当時は今ほどネットでの情報が多くありませんでした。

顧問の先生に教えてもらう技がほとんどでした。

そんなある日、先生が肩車をやり方を教えてくれました。

当時はまだ足への攻撃が有効のルールだったので、足を取る形の肩車でした。

教えられたとおりに乱取りで試してみたら、いきなり強い相手を投げることが出来ました。とても驚きました。

肩車は打ち込み稽古もほとんどやっていなかったですが、いきなり得意技のような感覚で投げることが出来ました。

それからも練習で肩車がよく決まるようになり、100kg近い体重の巨漢相手でも投げられるほどの威力になっていきました。

私が肩車を使い始めるまでは、部内でこの技を使う人は一人もいなかったので余計にかかりやすかったのだと思います。

誰も使ってない技を自分だけが使えることで、ちょっとした優越感があったのも覚えています。

ですがまだ練習でしか投げてない段階でしたので、実際の試合で使えるのかという不安は残っていました。

けんか四つで入る肩車のやり方

そんなときに錬成大会がありました。

公式な試合とは違いますが試合形式で行われる練習試合で、クラス別に分けられた高校同士で可能な限り総当たり戦をするものでした。

練習してきた肩車を試す絶好の機会でした。

練習試合と言っても試合と同じように審判が裁きます。一本を取られてしまえばそこで終わりなので試合と同じ緊張感を持つことが出来ました。

初戦の試合ははっきりと覚えています。

背丈も体重も私と同じくらいの相手でした。そして運がいいことにケンカ四つの相手でした。

私が先生から教わった肩車はケンカ四つを基本に入るやり方だったので、相手が左組手の方が好都合でした。なお私は右組み手です。

釣り手を下から持つのがポイント

ケンカ四つの時は、基本的にお互いが釣り手から持ちに行きます。

また肩車を狙うには釣り手を下から持つ方がやりやすいので、最初の組手は特に集中しました。

釣り手を下から取れたので、いきなり肩車を仕掛けました。

すると練習のようにスッと相手の懐に潜ることができて、しっかりと担いで一本を取ることが出来ました。

その後の対戦でも肩車で投げまくって、勝った試合の半分以上は肩車による一本またはポイントでした。

この経験を通じて、「肩車が自分の得意技だ」と自信を持って言えるようになりました。

足を取れないルールで肩車を決めるコツ

現在のルールでは足を取ることは禁止なので足を取らない入り方しかできませんが、基本的に大事なコツは変わりません。

肩車のコツは、技に入ったときにしっかりと胸を張って体を立てることです。

肩車で相手の懐に入ったときに、上半身が猫背になって曲がってしまうと、相手をしっかりと持ち上げることが出来ません。

相手をしっかりと担ぐことで、一本になる確率も上がります。

逆に不十分な態勢で無理に仕掛けてしまえばそのまま潰されてポイントを奪われます。

相手を崩すための片手での内股

技を仕掛ける前の崩しも重要です。

私がよく使っていたのは片手での内股です。

この内股は投げる為ではなくて相手を崩す為だけのものです。

ケンカ四つの状態から近い方の足に対して内股を仕掛けて、バランスを崩した相手が戻ろうとするタイミングで肩車に入ります。

ほぼノーリスクの動きなので多用していました。

細かいポイントはいくつかありますが、一番大事なのは思い切りの良さです。

肩車は相手の股下に深く潜り込まないといけないので、少しでもためらうと決まらなくなります。

どの技でも同じですが、返し技を恐れずに仕掛けるのが肝心です。

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