私の通っていた大学では、月に1回体重測定が行われていました。体調コントロールは各々で行うべきですが、当時2人が続けざまに減量失敗したのを受けて、ミーティングで決まりました。
トレーニングコーチの指導と合わせて学生食堂の栄養士の食事指導法も毎月受けました。部員の中には試合前に無理やり階級に落としこんだり、1カ月で5キロ落としたりなど無理のある減量を行っている者もおり、はじめのうちは規定体重をほとんどの人がクリアできませんでした。
私は57キロ級で、普段の体重は60キロほどあったので、3キロの減量を毎月行っていました。いつもギリギリでクリアして、その日は暴食するという状態でした。毎月の体重測定が憂鬱で、そのために練習しているようなものでした。試合に出るために体重を落としているのではなく、月1回の体重測定のためにほとんどの部員が体重をコントロールしていました。
カロリー計算、低脂肪食の王道ダイエット
減量方法でまず見直したのは、食事でした。私はパンとアイスが大好物で、朝はだいたいパン食でした。しかも糖質や脂質がたっぷりの菓子パンでした。
毎晩のご褒美にアイスも食べており、新作のお菓子や炭酸飲料もよく購入していました。自宅から大学まで距離があったこともあり、通学の行き帰りにはコンビニがたくさんありました。
夏の暑い日にはコンビニが見つかる度に寄って、ジュースやアイスを買って食べたり飲んだりしていました。栄養士の講習の中で、同じカロリーを摂取するならば、洋食より和食を選ぶようにとアドバイスされました。
また、お菓子やパンを購入するときには必ず栄養表示を確認するようにとも言われました。栄養表示で注目するべき点は、脂質です。脂質1グラムを消費するためには3キロカロリー必要です。あんパンで約5グラムで高いものの中には25グラム脂質が含まれているパンもあります。
25グラムの脂質を消費するためには75キロカロリーが必要です。60キロの私が75キロカロリーを消費するためには、ジョギングを約10分間行わなければなりません。それならば脂質の低いお米で作られたおにぎりを主食にしたほうが、同じ運動をするにあたって、痩せやすくなります。
サウナスーツを着て練習しない理由
試合前ギリギリになって「あと1キロが落ちない」という場合、残る選択肢は体の水分を限界まで出すことだと思います。よくサウナスーツや厚着をして練習を行っている方を多く見ます。そもそも試合に勝つために練習をしているのに、サウナスーツや厚着をしていては、試合の感覚が鈍ってしまいます。
やはり、練習は試合と同じ格好で行うべきで、サウナスーツを着たり厚着をするべきではありません。動きにくく、汗をかく前に体温が上がり過ぎてしまい、先に体力を奪われてしまいます。練習でより汗をかくためには、男子なら上半身裸、女子ならTシャツ一枚で十分です。無理な厚着をしないこと、これが一番汗をかく練習方法です。
生活習慣を見直すと簡単に減量できる
さて、生活習慣を振り返り、食事を見直して生活してみた結果ですが、2キロほど簡単に体重を落とすことができました。また、体脂肪率も同時に落ちました。今までの無理に体重を落とす減量ではなく、体質改善に近い健康的な減量方法なので、体力、筋力ともに落とすことなく自然に痩せることができました。
体脂肪が落ちたことで代謝もよくなり、また身軽になったおかげでランニングトレーニングも楽になりました。食事にも普段意識しないと摂ることができないキノコ類や海藻類を多く取り入れることで、女子に多い悩みである便秘に悩まされることはありませんでした。
食事を意識するだけでこんなにも体質が変わるのかと自分でも驚きでした。今まで苦しんでいたのはなんだったのかと、昔の自分に教えてあげたいとも思いました。