リオ五輪で見た大野翔平、勝った後の振舞いをお手本に

柔道が大好きで小学生の頃からシニアの柔道大会などを実際に会場で観戦したり、テレビ放送などの映像で見たりしていました。

中学、高校の試合では県内でまずまずの成績を残していました。中学や高校では、大会で優秀な成績を残すと全体集会などで全生徒の前で壇上に上がり表彰されます。ほとんどの大会で必ず入賞していたので、毎回壇上に上がり表彰されていました。

私は褒められると少し調子に乗ってしまう性格なので天狗になって他の生徒を見下したりしていました。そんな時、ブラジルのリオデジャネイロで行われた夏季のオリンピックがテレビで昼夜放送されていました。

ロンドン五輪後のリオ五輪、日本柔道の復活なるか?

リオオリンピックの前に開催されたロンドンオリンピックでは、日本柔道代表の選手たちは外国選手にことごとく敗退し、男女で金メダル取得者は1人しかいませんでした。

メダル取得数は、日本が1番だったのですが優勝者が1人だけでとても残念でした。ロンドン五輪の結果を上回るためにリオ五輪の代表選手は凄まじいプレッシャーを感じていたと思います。

リオ五輪の柔道競技において初日、2日目と男女合わせて金メダルはゼロでした。優勝が期待されていた選手が、金メダルをとりこぼす場面が多く見られてロンドン五輪と同じじゃないかと思っていました。

そんな中3日目に出場した73Kg級の大野翔平選手の全ての試合で度肝を抜かれました。

リオ五輪で見た大野翔平の活躍

大野翔平選手は、金メダル獲得を1番期待されていた選手でその期待に応えるように初戦から次々と強敵を撃破し、危なげなく決勝戦まで進出しました。

ポイントを取った技は、私の記憶が正しければ異なる多彩な技でポイントを次々に取っていきました。

大野選手の得意技は、内股と大外刈りです。外国の選手は、その技を警戒していたため別の技で次々に相手を投げ飛ばしていました。

一流選手になると1つの技や得意技のみ優れているのではなく、すべての技の完成度が高いことをこの試合で知ることができました。

決勝戦では、ポイントをリードして試合時間の半分を経過したぐらいでケンケン内股からの小内巻き込みへの連絡技で見事相手の背中を畳に叩きつけました。

勝った後の振舞いをお手本に

日本人、外国人を問わずほとんどの選手がオリンピックで金メダルを獲得すると、大きなガッツポーズなどをして喜びを全身で表現します。

そんな中、大野翔平選手は違っていました。金メダルが決まった瞬間一切表情を変えることなく開始線まで戻りしっかり相手に敬意を表するように礼をして畳から降りました。

初め私は大野翔平選手くらいになると、勝つのが当たり前で嬉しくないのかなと思いました。しかし、オリンピックで金メダルを獲得するために代表争いを勝ち抜いて4年に1度のこの大会に懸けてきているので嬉しくないわけがないと考えました。

試合後のインタビューで大野翔平選手は、「相手がいますから。しっかりと冷静に礼をして降りようと」と言いました。柔道は、スポーツである前に武道です。柔道は、礼に始まり礼で終わるという精神があり、相手への敬意を忘れないことが大事です。

大野翔平選手は、リオ五輪という大舞台の畳の上で日本柔道の素晴らしさを示してくれたと思います。金メダルを獲得しても畳を降りるまでは、派手なアクションや笑顔などといった表情を崩す行為を行いませんでした。

こうした大野翔平選手の姿勢を見たことで、たかが高校柔道の県大会で入賞しただけで天狗になり喜んでいた自分がとても愚かに思えて日本人として恥ずべき行為だと自分を戒めることができました。

大野翔平選手の柔道に対する姿勢を見習わければいけないと思いました。柔道の勝ち負けや強さに関係なく対戦相手に対して敬意を忘れることなく柔道を続けていければいいなと思いました。

(文・りょー)