倒さないパンチ!サウスポーが右フックで相手をコントロールする方法

高校生の時、なんの部活動に入ろうか迷っているときボクシング部に出会いました。

もともと格闘技には興味があったので入部を決め、最終的には大学でも4年間続け、最高成績は全国大会準優勝までいくことができました。

サウスポーの左ストレートと右フックの関係

私の得意技は右フックです。ボクシングは大きく分けて2種類のスタイルに分けられます。相手との間合いを詰め強烈なパンチを打ち込んでいく「ファイター」と相手との距離を保ち近づかせずに華麗に戦う「アウトボクサー」です。

私のボクシングスタイルは構えが左構えのサウスポーで、相手と距離をとりカウンターを合わせていくアウトボクサーでした。

このアウトボクサーはリーチやフットワークを活かせる人が多いです。私はもともとペンや箸が左利きでボクシングも左利きです。

なぜ左ではなく右のフックが得意かというと、それは左ストレートを当てるためです。周りの人からは左ストレートが良く評価されるのですが私は右のフックが良く使えて相手をコントロールしているからこそだと思っています。

相手をコントロールするための右フックの使い方

この私の言う右フックは相手に打ち込むものではありません。

向かってくる相手をいなすためのものです。例えるなら闘牛士のマントのようなものです。

ボクシングを始めたての頃いろんな先輩達にボコボコに追い詰められていく中で、どうにか逃げて自分のやり易い距離に持ち込まなければと思い自然と身に着けた技です。

これを身に着けてからはガツガツと向かってくる相手でも、コーナーに追い詰められてピンチの時でも闘牛士のようにいなして落ち着いて自分の距離で相手を支配できるようになりました。

右フックで相手をいなし、立ち位置を入れ替える

この技のポイントはまず身体的な適正でいうとリーチの長いほうがやり易いと思います。

相手をいなす際に大きく円を描くように相手との立ち位置を入れ替えるため、リーチが短いと不可能ということはありませんが、相手をいなす際の回る半径が狭くなり捕まってしまいます。

動作的なポイントでいうと相手がパンチを打ってきたときに体を少しのけ反り、相手がパンチを打っているときの肩甲骨を押す感じです。

きれいに決まったときは相手がバランスを崩しその間に一気に畳みかける事が出来ます。なるべく早く相手の動きに反応して動くことで追い詰められている状況だとしても急に立ち位置を入れ替えるので、相手には自分が目の前から消えた感覚になります。

そして自分が優位な場所と距離を作り出し、反撃、追撃のチャンスを得ることができます。

相手を倒すのではなく、コントロールして支配する

しかしこれはいきなりできることもありますがレベルの高い選手が相手だとそうはいきません。

立ち位置を入れ替える右フックには前段階が必要で、この前段階を準備しておくことで圧倒的にやり易くなります。

具体的にいうと、自分が回りたい方向と逆方向に相手を誘導することです。私の場合サイドステップを使い左方向に動き、相手のパンチに合わせて瞬時に右に回って立ち位置を入れ替えます。

これはボクシングの技術というよりリングの空間の使い方の意識が重要です。狭いところに誘いこみ、一気に広いところを陣取るというイメージです。

最初は難しいですがなれるとすごく便利です。実はこの技はスタミナに自信のない人や相手のパンチによるダメージがある場合でもおおいに役立ちます。

ここで紹介したサウスポーの右フックは相手を倒すというよりは相手をコントロールする技ですので、闘っていて疲れたとき、パンチが効いてしまっているときに使うといいでしょう。この私の得意技は相手をコントロールして支配しながら自分のチャンスを増やすことができる技です。ぜひ試してみてください。