令和元年11月7日、待ちに待ったWBSSバンタム級決勝戦が行われました。
WBA世界バンタム級スーパーチャンピオン
ノニト ドネア(比)
VS
WBA正規、IBF世界バンタム級チャンピオン
井上尚弥(大橋)
日本のエースとして数々の衝撃KOを生み出し今やPFP常連の井上尚弥。フライ級からフェザー級まで5階級を制した世界的スーパースター ドネア。
全世界が見守る試合をこの日本で見れるとは。
ボクシング経験者の私は高ぶりを抑えきれず興奮気味でこの日を迎えました。
久しぶりに会う仲間と一緒に私の自宅にて観戦。お互いの近況を話したりもしました。実は先日、知り合いのジム経営者から「親父バトル」に出ないかと言われて困ってる、といった話しもしました。
試合の予想をしつつ、楽しい時間を過ごしました。
ドネアvs井上尚弥の予想は?
そうこうしてる間に井上尚弥の試合が始まりました。
ちなみに、私たちの予想では井上尚弥の圧勝。
ちょっと補足すると、井上尚弥はLフライ、Sフライ、バンタム級を制した3階級王者です。階級を上げたバンタム級では元、現チャンピオン相手に1R・1R・2RKOと圧勝し波に乗るチャンピオン。
対するドネアは必殺の左を武器に時代を築いた選手。決勝に上がってきたとはいえピークが過ぎた印象があります。
ほかに判断材料を探すと、井上尚弥とドネアには同じ対戦相手と戦った経歴があります。
井上尚弥がSフライ級のタイトルに挑戦した時の相手がオマールナルバエスで結果は2RKO勝ち。ドネアもオマールナルバエスとバンタム級時代に対戦しており、このときは攻め切れずの判定勝ち。
相性もあるでしょうが、この差は歴然のように思えました。
試合を見て、ノニト ドネアの勇気が話題に
さて、実際の試合ですが、井上尚弥の出来もいいんですがドネアがまた素晴らしい出来でした。
2Rに井上をパンチのヒッティングにより出血させ、9Rには井上をぐらつかせあわやの場面も。
しかし、ドネアは11Rにダウン取られ、判定負けとなりました。
試合後も楽しく談笑。
自然とドネアの年齢と勇気の話に。
肉体的にはもうピークは越えてるはずなのにこのボクシング。
井上尚弥というボクサーの怖さを知ってる上で前に出る。打たれても自分のパンチが当たれば勝てるという自信からくる勇気。
ボクシングを経験している者として、惜しみない賞讃を送りたい気持ちでした。
ドネアの戦いに背中を押された
一方、状況は全く違えど今の私。
3年前に大会に出たんですが元プロなんて肩書きを引っさげた割に結果は敗退。
なんて事ないボディが効いてしまい。それからはジムに顔はだしても大会とかスパーリングは一切断っていました。
最近、「親父バトル」の話しをもらって、さて、どうやって断ろうかと考えていたところ。
そんな中での今回の試合。
ドネアは37歳、私より若いのですがボクサーとしては超ベテランの部類。世間では立派なおじさんの年齢です。
それなのに、井上尚弥のものすごいボディを喰らい立ち上がってくる根性。私もドネアも同じおじさんの枠なのに。
それに、親父バトルの対戦相手はモンスターではなく同じおじさん。比較するのもおこがましいのですが、私に足りないのは勇気と根性なのかと、ふと思いました。
素晴らしい試合を見た後の興奮。久しぶりの友人との楽しい会話。そこに、6歳になる1人息子がやってきて言いました。
「パパはチャンピオンにならんと。」
1人親なので子供に少しでもカッコいい所を見せたいな。
それで決めました、親父ファイト参戦です。
体を動かすと息が切れる。頭と身体が全く合わず。ロープも飛べない。
井上とドネアほどの熱い試合にはならないと思いますがオヤジにはオヤジなりの戦い方がある。
とにかく後は体を絞ってスタミナをつけて。
こんな風にたまにスイッチの入る魅力的なスポーツ、ボクシング。
色々な出会いに感謝してとにかく頑張らなければ。
全力でやらなければ。
息子に勇姿を。
(文・ジャッカル雅登)