K-1 WORLD GP2020JAPAN~K’FESTA.3~で金子晃大と玖村将史が対戦する。
玖村将史は、昨年のK’FESTA.2で金子が過去一番追い詰められた玖村修平の弟だ。金子不在のトーナメントでは決勝まで駒を進めるも決勝で武居由樹に惜しくもKO負けを喫した。
現Krushスーパーバンダム級チャンピオンでもあり、玖村将史もまた今年は武居由樹へのリベンジを誓う。玖村は試合決定記者会見にて金子を評価し、兄の仇をとるという感情は特になく、あくまで自分と金子との勝負だと思っているとコメント。
どうなる?金子晃大vs玖村将史
玖村将史が所属するチームキングスにはKOアーティストの木村フィリップミノルや久保優太も在籍している。
さらには金子と対戦経験のある兄からのアドバイスで金子攻略の対策も十分に練ってくるはずだ。玖村も破壊力のある打撃とチームキングス直伝の巧みなカウンターでの撃ち合いに行けばディフェンスが向上した金子といえども倒される危険は十分にある。
打撃での一発では金子有利に見ているが、互いの技術も合わせた高レベルな試合になることは間違いない。
金子晃大vs玖村修平の試合を振り返る
2019年3月のK’FESTA.2での金子晃大vs玖村修平の軽量級ベストバウトを紹介したい。玖村修平は玖村将史の兄である。
試合開始から金子晃大はアグレッシブにパンチのプレッシャーで玖村に襲いかかった。プロデビュー以降無敗の戦績を誇る金子は早くもKO狙いだ。玖村修平のディフェンスを強引に崩しながら前に出ていく。
試合が動いたのは2R。金子の強烈な左ボディで動きが鈍くなった玖村に金子がラッシュをかけダウンを先制する。玖村には序盤から金子のミドルキックを腕に貰い続けたダメージも見受けられる。
このまま金子がKOすると誰もが思った2R終盤。ダメージのある玖村を追い続けた金子の左に合わせた玖村のバックハンドブローが炸裂し、後ろに倒れた金子。
足元はふらつき、かなりダメージがあるようだ。なんとか立ち上がった金子だが、玖村がKOを狙いにくる。金子も打撃で応戦するが玖村の巧みなカウンターのコンボにまたしても2度目のダウンを喫する。立ち上がったところで終了のゴング。両者のダウンの奪い合いに会場のボルテージは最高潮に達していた。
金子は逆転の為に前に出てくるが玖村の巧みなカウンターが待っている。そんな中、金子のボディフックがまたしても玖村を捉え、コーナーへ押し込み打撃のラッシュを浴びせる。玖村の打撃数が少なくなった。
3R試合終了間際は両者一歩も譲らぬ殴り合いで終了のゴング。決着は判定へ。結果は3者ともにドローとなり延長戦へと突入した。両者ともダメージの色が伺える。
金子はジャブから冷静に玖村のカウンターを警戒して有効打を当てていく。ジャブからストレートを当て始め、次第に金子が自分のペースを掴み始める。金子のバックスピンキックが玖村に入り、効いた様子の玖村に打撃を当てていく。玖村も負けじと打撃戦に持ち込む。鼻血で顔面が真っ赤になる金子と顔面の腫れた玖村。
そして試合終了のゴング。壮絶な撃ち合いの末判定3−0で金子に軍配が上がった。
魔裟斗を呼び捨てにした金子晃大
金子晃大の魅力はなんと言っても好戦的なファイトスタイルだ。シルバーウルフジムで大宮司トレーナーの元培ったアグレッシブさでプロデビューからたったの2年でKrush王者に輝いた。
金子晃大が元々持ち合わせている優れたポテンシャルにも驚かされる。彼自身のキャラクターもまた魅力的だ。有名なところだと魔裟斗エピソードがある。
同門の先輩でもある左右田曰く、大先輩でもある魔裟斗を初めてジムで見かけた時になんと呼び捨てにして怒られたそうだ。試合後のマイクパフォーマンスでもどこかふわーとした口調で金子節を炸裂させ周囲はそれに思わず笑ってしまう。
外見は坂口健太郎似の塩顔イケメンと女性ファンからも支持がある金子。どこか抜けている性格も女性ファンをキュンとさせてしまうチャームポイントなのかもしれない。
格闘技の話に戻そう。金子は2019年怪我によりK-1スーパーバンダム級トーナメントへの出場が断念された。このトーナメントでは同階級の絶対エース武居由樹が全試合KOで制した。金子は悔しい思いをしたに違いない。
同年8月の復帰戦では蹴りを多用した冷静な試合運びで勝利を収めた。今までのアグレッシブさに加え、撃ち合いでのディフェンスにも磨きをかけ、より一層強い金子が戻ってきた。2020年、金子は打倒武居由樹に照準を合わせ、日本人頂上決戦を目指す。
武居由樹を中心として回るスーパーバンダム級前線で、金子晃大vs玖村将史は非常に重要な一戦になる。武居の対抗馬になるのは金子か玖村か。
(文・Totty)