新日本が管理するNEVER無差別級のベルトには、N→New Blood(新しい血)、E→Evolution(発展、進化)、V→Valiantly(勇敢、試みる)E→Eternal(永遠に)、R→Radical(根本的に、基本的に)という意味がある。
NEVERは、若い選手の育成を目的とした興行でありベテラン選手や他団体の選手の枠もあり他では見られないカードが実現する
初代王者田中将斗は4度の防衛に成功。それからは、石井智宏、真壁刀義、柴田勝頼、後藤洋央紀とベルトが渡り続けていくのだった。
こうした歴代王者を見てみると泥臭さ、男臭さ、感情がむき出しになる試合が多く個性が爆発し観客も思わず力が入ってしまう試合展開が多い。
ミスターNEVER 石井智宏とは
ミスターNEVERの異名を持つ男石井は過去5度の最多保持者。今年45歳という年齢を感じさせないファイトスタイルが魅力だ。
やれたらやり返すがモットー。相手にピンフォール(3カウント)で抑えられている時ギリギリ2.9秒で返せばいいものを石井はピンフォールに入られた瞬間に返すのだ。
プロレスにおいては肉体的なダメージはつきものだが特に石井戦は精神的なダメージの方が大きいのではないだろうか。
石井について語る鷹木信悟
現王者鷹木信悟は石井についてこう評してる。
ベテランなのに殺気や負けん気は半端じゃないよね。生き様やファイトスタイルに非常に影響された部分もある。彼を目の前にすると自分自身が知らない鷹木信悟が出でくるような気がして俺人身もワクワクする
現王者・鷹木信悟vs挑戦者・石井智宏
そんな鷹木信悟は2018年10月8日に新日本プロレスの人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入。
2019年1月4日にはIWGPジュニアタッグの王者にも輝き同年のG1クライマックスも4勝を挙げており以降はヘビー級へと転向し、近い将来は新日本プロレスの顔となる日もそう遠くはない。この今熱い二人がNEVERのベルトをかけての戦いは目が離せない。
ゴングが鳴り会場一体は鷹木コール。最初の組合は鷹木が有利だったがそのままロープ側にもつれ込まれロープブレークを迎えたが石井は逆水平を繰り出す。それをかわした鷹木も逆水平で返す。
鷹木のエルボーに屈しない石井はエルボーを受けながら鷹木に近づき重いエルボーを一発放ち、鷹木は膝から崩れ落ちた。
試合は後半、石井の得意技雪崩式ブレーンバスターを出すが3カウントはとれない。
その後もお互いがラリアット、チョップの意地の張り合いが続き最後は鷹木の得意技ラスト・オブ・ザ・ドラゴンで決まるのであった。
鷹木は「魂と魂のぶつかり合いこれがプロレスだ」と言葉を残しリングを去った。
NEVERのベルトの価値を高めた一戦
鷹木の最後の言葉はNEVERの戦いにふさわしく更にNEVERのベルトの価値が上がったのではないか。
創設されて約8年がたった今、 NEVERのベルトはますます輝きを増すだろう。王者になるのはそう簡単ではない。努力をしたもの、意志が固いもの、観客の心を熱く鷲づかみにする者が王者としてふさわしい。
私も双方に拍手を送りたい。敗者となった石井も素晴らしいファイトだった。また石井が挑戦をすることを願う。試合があけてのインタビューに鷹木は「実は2週間くらい頭痛がとれなかった。強烈な試合だったね」と語っている。
NEVERの歴史に残る激闘の試合だったことがわかる。王者の言葉通りこの試合を見て魂を揺さぶられるプロレスは最高だと思った。