剣道の追い込み稽古で意識する【基本・体幹・手首の返し・精神力】

剣道の練習において、定番の辛い稽古に「追い込み稽古」がある。

追い込み稽古は文字通り、受け手と攻め手がペアになり、格技場や体育館を可能な限り広く使い、連続技を繋げることで肉体を追い込み、体力の向上を図る稽古だ。

中学生で剣道の追い込み稽古を経験

追い込み稽古は公式戦に備えて、身体を作る期間に多く取り入れられ、技のテクニックを磨くと言うより身体を強くすることを目的としている。

私が初めてこの稽古を経験したのは、中学一年生の4月に剣道を始め、7月の夏休みに入った頃だった。

面の追い込み、小手の追い込み、銅の追い込み、小手面の追い込みなど、様々な種類がある。

上級生などは、気剣体の一致を図ることが出来、スムーズな追い込みが出来るが、初心者は無駄な筋力を使うため多くの負荷がかかり、体力を消耗しやすい。

基本を意識することが大切

大切なのは、辛い練習の時こそ辛い選択をすること。

引き付け足をしっかりする、左手手動で竹刀を振る。

基本の技の練習では簡単な事だが、辛い稽古で、それらを意識するのは簡単なことではない。しかし、試合はいつも攻防戦となり、練習のように思うようにはいかないし、体力も消耗しやすい。

だからこそ、追い込みの練習で基本を意識することが大切だと言える。

基本がしっかりと出来てくると、追い込みなど、体力を使う稽古時に形の良さに加えて筋力、体力の向上を図ることが出来る。

これは試合の本戦でも活かされ、疲れにくい身体を獲ることが出来る。

体幹のぶれを防ぎ、腰を安定させる

基本を大切にしながら、同時に意識しておきたいのが体幹をぶらさないこと。

打突と踏み込みを一致させ、その反動を次の技に繋げるために、無駄を作らずに腰を安定させることが重要である。

引き付け足が、辛くなり右足を追い越してしまったり、打突と足が一致しないと体幹は崩れ、体力だけを消耗する無駄な練習となってしまう。

手首の返しを身に着ける

追い込み稽古はバリエーションに富んでおり、小手面銅など、手首の返しが重要となってくるメニューも多くある。

この練習を重ねることにより、固かった手首がしなやかな動きになる。

竹刀を鞭のように操ることが出来るようになることが、剣道の理想であるが、技の練習など、単発な練習では鍛えられないだろう。

いかに、素早く手首を返すことが出来るかも、試合の勝敗を左右するため、これらの事も追い込みでしっかり鍛えておきたい。

追い込み稽古で精神力を養う

また、その日のメニューによっては、面の追い込みだけで10本行ったり、体育館の往復なども経験することがあるだろう。

そんな時こそ、挫けずに自分の糧になると思って稽古に励むことが大切である。

剣道の練習で、辛い時こそ声を出すというセリフは浸透しているが、真理であり、声を出すことで自分の精神力を鼓舞することが出来る。

負けない精神力は追い込みによって獲られると言っても過言ではないだろう。

剣道は「テクニック3、気合いが7」という言葉を、私の恩師からもらったことがあるが、その通りだと思う。

辛い練習により、「私はここまで頑張ってきたのだから大丈夫だ」という大きな自信にも繋がる。

だからこそ、辛い追い込み稽古に対して、自分に負荷を加え、極限の状態まで追い込んでいくことが大事になる。

自分を追い込むことで、剣道における、新たなるステージを開くことが可能になるはずだ。