朝倉未来vs萩原京平の見どころ!ニータップとコントロール│RIZIN LANDMARK

2021年RIZIN LANDMARK vol.1で行われたRIZINフェザー級ワンマッチ。朝倉未来vs萩原京平。

RIZIN初の観客を設けないライブビューイング型の大会の第1弾のメインカードとして両者の試合が組まれた。

RIZIN LANDMARK vol.1 朝倉未来vs萩原京平

朝倉未来は2021年6月のRIZIN28ではクレベルコイケ相手に好試合をするが、2Rに三角締めにより失神KO負け。4か月ぶりの復帰戦を迎えるかっこうだ。

対して萩原も昨年大晦日にMMA初参戦の平本蓮と対戦し、試合前の煽りで話題性を集めた。元K-1Topファイターの平本を完膚なきまでグラウンドの展開で痛めつけ、2RTKO勝利を収めている。

勝利後インタビューでは朝倉との対戦を要求。アンダーグラウンドエンペラーの異名を持つ萩原とアウトサイダー上がりの朝倉。互いに団体は違ども、同じようなジャンルで戦ってきた両者。

萩原としては朝倉の首を取ってフェザー級Top前線に名を連ねたいところだ。

ニータップ(無双)を見せる朝倉未来

ゴング開始と共に両者中央に寄る両者。オーソドックスの構えの萩原に対し、サウスポーの朝倉が左のインローを萩原の内腿に2発当てる。

萩原もローに合わせてストレートのカウンターを試みる。朝倉が距離を詰めて萩原の左腿裏を掴み、押し倒しテイクダウンに成功。

萩原対策の為に今回、朝倉が練習していた技、ニータップ(無双)だ!

マウントで支配していこうとする朝倉で有るが、萩原も下から肘打ちで応戦、更に萩原が体幹の強さを活かして朝倉のマウントから脱出したところで踏みつけから肘打ちを見舞う場面もあった。

朝倉が萩原をコントロール

2Rに突入すると萩原がやや自身の打撃の距離を作り出すようにジリジリと前に詰め寄る。

朝倉は冷静に距離を図っている様子だ。再び朝倉が無双で萩原からテイクダウン。脱出を試みる萩原に4点ポジションからの膝蹴りを見舞っていく。

バックに回りチョークを狙う朝倉。両者スタンドの展開になると朝倉が得意の左ハイキックを萩原の側頭部を捉えるも浅かったかダウンはしないが、直後にテイクダウンをとった朝倉。ハイキックで一瞬の隙を見逃さない朝倉の冷静さが伺える。

3Rも終始、朝倉によるマウントの展開。朝倉は鉄槌の連打を萩原の顔面に見舞う。そして肘によって流血する萩原。萩原の表情に余裕がないのに対し、朝倉は時折笑みを溢しながらマウントを支配していく。

萩原にとっては何もできない屈辱的なラウンドであっただろう。3R終了のゴングが鳴らされると、朝倉は萩原の健闘を称えた。判定はフルマークで朝倉であった。

勝つ事への欲望がリアルに描かれた試合

クレベル戦での敗北からの再起、ここで萩原に負けるわけにはいかない朝倉未来。

今回の試合に関しては朝倉自身も試合後に絶対に負けられないプレッシャーがあり、観客が喜ぶスタンドでの打撃戦よりも確実に勝つ為にリスクを取らない戦い方をしたと発言している。

それだけに試合内容に納得のいかないファンも多いだろうが、MMAは相手の弱い分野でいかに戦えるかで勝敗が分かれる。

萩原もまた、この試合への想いは強かった。国内フェザー級Topの1人で注目度が高い朝倉未来を倒せば大金星だ。しかし朝倉の技術にはばまれ、自分の良いところを出し切れなかった。

試合後の涙からも萩原が試合に懸けた想いの強さが感じられた。朝倉と萩原。互いの負けられない状況と勝つ事への欲望がリアルに描かれた試合。格闘技は常に互いの夢の奪い合いと言う言葉が頭に浮かんだ試合だった。

(文・Totty2)