柔法が苦手な自分もマスターできた少林寺拳法「片胸落」3つのコツ

高校入学と同時に入部を決めた少林寺拳法部。

中学時代から空手をバックボーンとしていたので自然と格闘技に関わりたいという理由で唯一の武術部であった少林寺拳法部に入部した。

高校で全国レベルの少林寺拳法部へ

私の高校の少林寺拳法部は全国大会出場経験のある先輩も所属しており、練習の質と環境には恵まれていた。

少林寺拳法は心得として護身をベースとする武術。攻者と守者に分けられる。

攻者の攻撃を守者が往なし、反撃をする。

剛法と柔法

少林寺拳法では剛法(突きや蹴りなど)と柔法(投げや関節系の技)の2つを習得する。

私は柔法があまり得意ではなかった。というのも、バックボーンの空手、ボクシングには柔法に近いものは存在しないので全く未経験だったから。

柔法の技をかけるときは、関節の位置、角度が複雑なので頭で理解するというよりかは感覚で覚えるしかなかった。

柔法の練習は実際に攻者に技をかけて会得していくので、何よりも痛みが嫌だということもあった。ましてや、技能能力も十分でない部員たちが全力で技をかけてくる恐怖もあり、私は柔法が好きではなかった。

私に限らず柔法が好きだという人はあまりいないと思う。

「片胸落」のコツ

柔法嫌いの私が唯一得意だった技が片胸落としという技だった。

片胸落は攻者が守者の襟を掴んできたときに胸元にある攻者の手首を前の手で引っ掛けると同時に肘を攻者の腕に覆い被せるように動かす。

守者は攻者の前腕に肘を引っ掛け、一気に下に落とす。すると、攻者は関節の痛みに耐えきれず、膝を落とすという流れだ。

この片胸落にはコツがある。

コツ1.手首のとらえ方

攻者が守者の襟を掴んでくる際、守者はすばやく反応して手首をしっかり捉えることだ。

手首をとらえるときは、前の手で攻者の手首下部を親指と人差し指の間の水掻きで掴む。

タイミングも重要で、攻者が守者の襟を掴んでくると同時に攻者の手首を前の手で引っ掛け、攻者の勢いも利用すると技が掛かりやすく、見栄えも良い。

コツ2.肘を引っ掛けるときの運足

攻者の前腕に肘をいれる時は前足を半歩前に出すことを意識する。

私自身もよく失敗した原因として、攻者の前腕に肘を引っ掛ける際に距離が遠く、攻者の腕が伸び切ってしまい、結果的に技がかかりにくくなってしまうということがあった。

対策として守者は攻者の前膝内側あたりまで前足を半歩前に出して引きつけると前腕に到達しやすくなり、角度も守者の肘が深くまで入りやすくなる。

技のかかりはこの部分が非常に大事になってくるのでここを意識することで私自身もコツを掴んだ。

コツ3.お辞儀のイメージで技をかける

最後のポイントは守者の肘が攻者の前腕に深く入ったところで、お辞儀姿勢で腕を落とし、技を決める動作だ。

慣れてくるとお辞儀の動作というよりも流れ作業のように垂直に落とす形で技が決められる。

しかし初心者のうちはこのお辞儀の動きを使って片胸落としの動きを習得していくのが良いと思う。

守者の肘が前腕に深く入ったところで守者は自分のお臍の方向へ巻き込むようにして肘を下げるのだが、この時に腕、肘だけを下げるという意識をしてしまうと技がかかりづらい。

意識する動きはお辞儀をイメージすると技もかかりやすくなる。

攻者の前腕に守者の肘がしっかりと入ったところで固定しつつ、お辞儀をするように肘を落としていく。慣れてくれば落とす方向も垂直を意識して一気に落とせば見栄えもメリハリのつく動きになり、守者側も技が決まった感覚が清々しい。

以上3点が私なりに片胸落を攻略し、噛み砕いた末に得意技として習得する間に得られたコツだ。

少林寺憲法は他の武術と違い、護身をベースとした柔法による反撃がメインになる。他の武術と重なる点が少ないので習得甲斐もある。他ではあまり見られない柔法は少林寺憲法の強みではないかと思っている。

(文・Totty)

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私は高校の部活動で半年間、週2~3回少林寺拳法をやっていました。 練習期間としては短めですが、それでもやめるころには三級試験に合格し茶帯をしめていました。 入部当初は見習いとして白帯、2年の先輩方は茶帯、3年生は黒帯(初段)でし...