2018年10月のUFCライト級タイトルマッチ、前代未聞の乱闘劇から約1年半ぶりにコナー・マクレガーが帰ってきた。
自身の階級をあげたウェルター級への挑戦。コナー・マクレガーの新しいストーリーが遂に始まる。
コナー・マクレガー、引退表明から復帰戦まで
コナー・マクレガーはUFCフェザー級絶対王者であったジョゼ・アルドからタイトル奪取後、ライト級タイトルをも獲得。その後はフロイド・メイウェザーJrとボクシングマッチで闘ったことでUFCから一時的に離れていた。
UFC復帰戦のライト級タイトルマッチでチャンピオンのヌルマゴメドフに破れ、試合直後の乱闘騒ぎで出場停止の罰則を受けた。一時は引退を示唆する発言もあったマクレガーだが、2020年1月に彼が戻ってくることをUFC代表のダナ・ホワイトは明かした。
復帰戦の相手はドナルド・セラー二
コナー・マクレガーの復帰戦は自身の階級より上のウェルター級であった。そんなマクレガーを待ち構える男はドナルド・セラー二。
UFCライト級ランキング5位。カウボーイのコスチュームで入場してくる様からカウボーイの異名を持つ。UFCきってのストライカー。中間距離ではムエタイスタイルから繰り出される足技を得意とする。
セラー二もまた、ライト級、ウェルター級と階級を行き来しているファイターだ。直近2試合では敗戦しているだけに3連敗は避けたい。
コナー・マクレガーvsドナルド・セラー二の試合展開
コナー・マクレガーとドナルド・セラー二が向き合う。観衆の興奮は絶頂に達していた。
マクレガーの肉体はウェルター級の身体へと進化していた。両者視線を離さない。ゴング開始と共に得意の左ストレートを見舞うマクレガー。会場が沸いた。
その攻撃に対し、組みつきで躱したセラー二。マクレガーはここで左の肩を使い、セラー二の顔面に肩を器用に当てる。2、3発当てたところで両者が離れる。
セラー二の鼻から出血が見られる。組付時の肩での攻撃が有効打となっていたのだ。セラー二の動きが悪いようにも見える。
マクレガーが圧力をかけ始め、左ハイキックを見舞い、セラー二の顎に入った。ぐらついたセラー二にマクレガーの重い打撃がガードの上から襲いかかる。
防戦一方のセラー二はそのまま倒れ、マクレガーのパウンドが容赦なく降ってくる。何もできないセラー二を見てレフェリーが試合を止めた。
マクレガーは肩で攻撃する新技を披露し、さらにセラー二が得意とする蹴り技でKOした形だ。たった40秒でマクレガー時代が戻ってきた。
ヌルマゴメドフとの再戦?三階級制覇?マクレガーの今後
コナー・マクレガーがMMA界にまた新たな旋風を生み出した。彼のスター性はいまだ健在であった。
かつてのUFCでこれほどまでに周囲を巻き込む存在がいただろうか。マクレガー不在のUFCは何も変わらずに進行し続けていた。コナーが戻ってきたことで観衆は彼の存在力を再認識させられた。
UFC代表のダナ・ホワイトも因縁のハビブ・ヌルマゴメドフとの再戦をするべきだと公言している。マクレガーは試合後のインタビューでは同階級のチャンピオンであるウスマンや先日ネイト・ディアズとの悪名対決を制したマスヴィダルらを関連させるような発言で「全員俺が片付ける」と述べた。
マクレガーらしいトラッシュトークにはファンの妄想も広がる。ウェルター級王座獲得というUFC史上初の3階級制覇さえも成し遂げてしまうのか。格闘技界は一瞬にしてこの男を軸として再度動き出した。マクレガーの今後の動向に注目していきたい。
(文・Totty)