朝倉未来の対戦相手ジョン・マカパ!ベラトール対抗戦注目の展開は?│RIZIN2019.12.31

2019年12月29日のベラトールと、31日のRIZINにて2日間に分けて行われる今年の年末格闘技の目玉の一つが、「RIZIN×ベラトール対抗戦」です。

この試合はRIZINとベラトールを代表する選手がそれぞれ5名選出され、その勝敗の数が競われます。

10月のRIZINで早期KO勝利をあげた中村K太郎選手、攻撃的なファイトで相手を追い詰めるロレンズ・ラーキン選手らの対戦もさる事ながら、なんといって注目すべきは大将戦の「朝倉未来選手vsジョン・マカパ選手」の一戦でしょう。

朝倉未来vsジョン・マカパ、未来が判定勝利!

試合結果は、朝倉未来選手がマカパにグランドの展開を許さず、終始スタンドの攻防で3Rを戦いきっての判定勝利。

「技術は格上」と認めた相手に勝利し、RIZINが世界レベルにあることを改めて証明した。各ラウンドの試合展開は次のとおり。

1R、朝倉未来選手がスタンドでやや優勢か

互いにローキックによる探り合いで試合がスタート。

中盤、朝倉未来が左右のパンチを鋭く放つ。さらに、左ミドルでボディを効かせる。

互いに決定打のない1Rは、やや未来がスタンドの攻防を優勢に進めた。

2R、依然としてスタンドの攻防が続く

朝倉未来の相手の蹴りをつかんでのパンチ連打がいい感じで放たれる。

さらに、ボディへのパンチで打撃を散らす。

中盤過ぎ、マカパのテイクダウン!

しかし、未来はこれをしのぎ、再びスタンドに。

終盤、マカパの右フックが未来にヒット! しかし、未来は笑顔で余裕を見せた。

ここまでのところスタンドの攻防のまま3Rへ。

3R、未来がテイクダウンをしのいで判定勝利へ

開始早々に蹴りをつかんでのマカパの連打がヒット!

そのままロープぎわに追い込んで、じわじわとテイクダウンを狙うマカパ。

バックをとられた未来だが、たくみに正面に向き直ってスタンドに戻した!

未来の左ストレートヒット! マカパの動きが明らかに悪くなった。

終盤、ロープ際でマカパがテイクダウンを狙うが、これもしのいだ未来。

当たれば倒せる打撃を次々に繰り出す未来。しかし、クリーンヒットせずに決着は判定へ。

判定は3-0で朝倉未来の勝利となった。KO勝利とはならなかったが、相手にこれといったチャンスを一切与えることなく、安定した強さを印象づけた。

「けっこう良いのを入れたと思ったんですけど、頑丈でしたね相手が。…大晦日に格闘技を見てくれてありがとうございます。」(朝倉未来)

ここからは、試合前に書かれた試合展望になります。朝倉未来選手の背景、マカパ戦のポイントがまとめられています。

朝倉未来、路上の伝説から総合格闘家へ

朝倉未来選手は、元々アウトサイダーという格闘技団体出身のファイターで、かつては地元の愛知県で喧嘩に明け暮れていたということから、「路上の伝説」というニックネームを持っています。

弟の朝倉海選手も、同じアウトサイダー出身でRIZINに参戦しています。

今でこそ未来選手の存在感が際立っていますが、先に名をあげたのは海選手の方でした。

当初は海選手のセコンドとしてRIZINの会場に姿を見せることが多かった未来選手でしたが、「兄貴の方が自分より強い」と海選手が語るように、RIZIN参戦初戦では、UFCから帰ってきたテクニカルファイターの日沖発選手を、下馬評を覆してのノックアウト勝利で葬り、デビューを飾りました。

それ以降も、特にピンチの場面を見せることなく対戦相手を倒しており、RIZINデビュー以来全戦全勝という結果を残しています。

朝倉未来と矢地祐介の因縁とは

朝倉未来選手の強さを不動のものとしたのは、2019の7月のRIZN17で行われた矢地祐介選手との一戦です。

二人の因縁は2018年の大晦日から始まりました。

本当に強い相手としか戦いたくないという理由で、RIZIN側から提示される相手を選んでいた未来選手を、矢地選手がSNSで批判したことで、二人の間に因縁が出来ました。

その年の年末にリオン選手との対戦を制した未来選手は、RIZINの代表である榊原氏に「矢地と戦わせて下さい」と直訴しました。

そして遂に2019年7月のRIZIN17のメインマッチとして二人の対戦が組まれ、クレイジービー陣営を巻き込むほどの大喧嘩マッチとして、日本の夏を大いに盛り上げました。

本来、未来選手はフェザー級で戦っており、矢地選手はその一階級上のライト級を主戦場としている為、未来選手が体重を増やし、階級を上げることでこの戦いが実現されました。

テイクダウンされない朝倉未来の強さ

試合の予想は、矢地選手がフィジカルで圧倒するのではないか、はたまた未来選手が持ち前の腕っ節の強さで階級を物ともしない戦いをするのではないかと言われていましたが、実際は後者で、終始階級が下のはずの未来選手がプレッシャーをかけ続け、判定での勝利をあげました。

未来選手の強さのポイントは、冷静に相手の攻撃を見ることができる目の良さと、事前に相手のファイトスタイルを徹底的に研究して、相手のウィークポイントを探る分析力にあります。

目の良さは、喧嘩に明け暮れていた頃に何百人もの相手と戦ってきたことで培われたと語っています。

また、テイクダウン耐性という、相手のタックルを切る腰の強さと、瞬時に反応する瞬発力も、未来選手の武器の一つです。

RIZIN参戦後の未来選手の相手はほとんどが打撃を得意とするストライカーでした。中にはグランドの展開に持ち込もうとする相手もいたのですが、未来選手をテイクダウンすることができず、結局スタンドの展開をせざるを得ない状況でした。

朝倉未来の対戦相手となるジョン・マカパとは

2019年年末で朝倉未来選手の対戦相手となるジョン・マカパ選手は、ベラトールが誇るサブミッションアーティストであり、柔術は黒帯の実力者です。

一方ストライキングの腕がどうかというと、その点に関しても問題ありません。

強烈なローキックを武器にUFCフェザー級チャンピオンに上り詰めたジョゼ・アルド選手や、元UFCバンタム級チャンピオンのヘナン・バラオン選手らと、日々ストライキングのトレーニングを積んでいます。

直近の試合(2019年9月)では、打撃で試合の流れを作り、最後はパウンドの連打によりテクニカルノックアウト勝利を収めており、立ってよし、寝てもよしのトータルファイターであることを印象づけています。

朝倉未来のグランドの攻防にも注目

今までの試合では、腰の強さで中々グランドでの展開にならなかった未来選手ですが、マカパ選手との試合では苦戦する姿がみられるかもしれません。

個人的には、グランドの展開がどこまでできるのか、また、テイクダウンされた後にどのような展開に持っていけるのか、その点に注目して試合を観たいと思います。

今回の試合はRIZIN代表・榊原氏からも、「朝倉未来選手が本当に世界と戦っていけるのか」を見極めるための試合、という位置づけになっています。

この戦いをクリアすることができれば、現在ベラトールで行われているフェザー級トーナメントに出場するような選手たちと肩を並べる立ち位置に持っていくことができます。

また、なんといっても未来選手vsマカパ選手の試合は、RIZIN×ベラトール対抗戦の大将戦です。

大将の未来選手の登場までにどういった戦績になっているのかにもよりますが、RIZINの勝敗が未来選手にかかっている!という状況になれば、2019年の最も熱い戦いになるはずです。