私は高校1年生のとき、部活動で半年間、週2~3回少林寺拳法をやっていました。
練習期間としては短めですが、それでもやめるころには三級試験に合格し茶帯をしめていました。
入部当初は見習いとして白帯、2年の先輩方は茶帯、3年生は黒帯(初段)でした。
私がいつも先輩方に注意されたのは、拳がしっかりと握れていないように見えてしまい、とても目立つことでした。
少林寺拳法で拳が平らにならない問題
少林寺拳法には拳で突く技が沢山あります。
そのとき、拳を握ったときの人差し指から小指の計4本の、相手に当たる面を平らにするように指導されます。
平らでなく、出っ張っている指があると相手に当たった時にケガをしやすいから、とのことでした。
しかし私はそれがどうしても出来ないのです。
部活中に1年生が、例えば100本突きをしていると、その間先輩方が見回って問題点などを指摘してくれるのですが、何人もの先輩から何度もこのことを注意されました。
それくらい目立つ欠点だったようです。
「ぎゅっと握ってみて」
と言われるのですが、ぎゅっと握れば握るほど人差し指が飛び出ます。
どうやら私は人より人差し指が長いようでした。
先輩のアドバイスは「拳立て伏せ」
そこで先輩方にすすめられたのが「拳立て伏せ(けんたてふせ)」です。
拳を鍛えるトレーニングだと教わりました。
腕立て伏せのとき、手をパーで地面につけるのではなくグーで行うのです。
それも、道場の隅にある硬い床の部分に拳を突くのです。
道場の大部分は畳なのに…。
1回も出来ませんでした。
そもそも通常の腕立て伏せすら10回出来ないのです。
拳立て伏せを始める体勢になろうとするですが、出っ張った人差し指がすごく痛かったです。
同じ1年生でまともに先輩たちと同じくらい拳立て伏せを出来ている人は1人か2人だったと思います。
何事も無いように拳立て伏せする先輩を「すごい」と心から思いました。
拳立て伏せは結局できなかった
私は他の部活動の重視や人間関係を理由に、半年間で少林寺拳法をやめてしまいました。
結局拳の相手に当てる面を上手く平らにできないことに対して、拳立て伏せが改善策として正しいかどうかは分からないままです。
そもそも1回も出来てないですし。
しかし、もし同じ指摘をよくされて悩んでいる・改善したい、という方が、それだけを目的に拳立て伏せをすることについては注意深くなっていただきたいと思います。
と、言いますのも調査の結果、拳立て伏せによって主に鍛えられる箇所がどうも拳ではなさそうなのです。
接骨院の先生に聞いた拳立て伏せの効果
接骨院の先生曰く、拳立て伏せで集中的に鍛えることが出来るのは手首と上腕とのことです。
確かに、拳を強く握ってみると手首と上腕に力が入るのを感じます。
上腕と手首が鍛えられると、突きの際に体勢をしっかり固定できるようになるそうです。
手首は、通常鍛えるのに難しい部位だそうですが、拳立て伏せなら鍛えられるそうです。しかし、もともと手首をある程度強くしておかないと手首を損傷しかねないとのことでした。
まずは拳立て伏せではなくサンドバックへの突きから始めたり、拳立て伏せをやるとしても柔らかいマットの上で行ったりした方が良いとのこと。
拳を鍛えることがメインの筋トレでないなら、拳から出っ張っている人差し指の改善にはなおさら良い効果は期待出来なさそうだな…と思いました。
拳立て伏せで体重を支える部位は?
一方で、拳立て伏せが拳を平らにするのに役立ちそうな情報も見つけました!
そのヒントは拳立て伏せの正しいフォームにあります。
正しいフォームとは、拳の人差し指と中指の拳骨で体を支えることです。
私は相手に当たる面が平らになるようにと考えて拳立て伏せしていたのですが、結局薬指と小指の拳骨で支えていたようなのです。
正しいフォームならば、人差し指の改善に役立つかもしれません。
筋トレはまず、正しいフォーム・やり方を確認することが重要ですね。
拳立て伏せは正しい対策か?
少林寺拳法の大会は演舞ですので、技が格好良く見えることが重要です。
つまり、審判に好印象を与えられるかどうかです。
審判が拳が平らになっていない選手を見た時は、
「ああ、この選手は人差し指が長くて仕方ないのだな」
とはまず思ってくれないでしょう。
「この選手は拳がしっかりと握れてない。減点だな」
となってしまう可能性の方が高いです。
何とか改善したいポイントではありますが、対策として拳立て伏せを選ぶのは慎重になった方が良さそうです。
拳立て伏せは手首を痛める危険性がある筋トレです。
正しいフォームで無理なく行いましょう。