2020年1月にKrushで行われた山崎秀晃vs堀井翼について紹介したい。
堀井翼という格闘家をご存じだろうか。ラッキーパンチと自称する必殺技を武器に4戦4勝の戦績で2019年よりK-1Groupに参戦。
股間王?堀井翼という男
Krushデビュー戦でも逆転1RKO勝利で華々しいスタートを切った。この男が注目される始まりは記者会見やSNSなどでの言動が話題となったことからであった。
記者会見ではパーティグッズを持参し、おふざけし放題。試合前のフェイスオフではフラッシュバックと呼ばれるイナバウアー並みに沿った姿勢でメンチを切るという前代未聞の挑発の仕方。
私生活でも素人童貞であることや同居している母と喧嘩し家がないため車で生活しているなどぶっ飛びすぎている男だ。
さらに自らを股間王と称しお手製の選手看板を提げるなど、この男のふざけた人間ぶりはあっという間に有名となった。
対戦相手は山崎秀晃
毎回TOP選手と対戦が組まれるこの男にまたしてもTOP格闘家が立ちはだかった。山崎秀晃。
2014年のK-1旗揚げから参戦し、持ち前のゴールデンフィストを武器に幾多の相手をKOでマットに沈めてきた。
山崎もまた、スーパーライト級で圧倒的強さを持つが2018年に安保にKO負けを喫し世代交代も囁かれていた。2019年は再起をかけて復帰し、若手日本人相手に2連勝と調子は絶好調だ。
2020年初戦もKOで飾り、タイトル戦線へ名乗りをあげたいところだ。
堀井翼vs山崎秀晃の試合展開
両者向き合い、いつものようにフラッシュバックでメンチ切りする堀井翼を上から見下ろす山崎秀晃。
山崎の顔に笑みはない。1R開始とともに山崎が前足からのフロントミドルキックを数発打つ。山崎は柔らかい動きでリラックスしている様子。
山崎はここでフックも出してくる。堀井も近い距離での撃ち合いに応じる。やや堀井の動きは堅いようにも見えるが山崎のパンチを警戒してガードを高くあげている。
飛び込む山崎に堀井も前に出てくるのでクリンチでの持つれも目立ってきた。残り時間1分に差し掛かった時、堀井の蹴りに合わせた山崎のストレートで堀井が早くもダウン。
立ち上がった堀井に山崎は得意の掛け蹴りを見舞っていき、堀井のフックに見事にカウンターの左フックを合わせた。ここで堀井は2回目のダウン。
顎にモロにもらった堀井はこれでもまだ立ち上がった。最後に山崎は畳みかけてまたしても左のカウンターでダウンを奪いKO勝ちした。壮絶に散った堀井だが真っ向から山崎に殴り合いに応じ、ダウン2回から立ち上がる根性を見せた。
エンターテイナー堀井翼への期待
堀井にとっては3連敗という結果になってしまった。しかし、ここ数戦を遡ってみれば3月にタイトル挑戦を控えている不可思、そして今回の山崎。
Krushデビュー間もない新人の相手に選ばれるマッチメイクとしては正直かなり厳しすぎる対戦相手たちであったのも事実だ。
ここ数戦では、堀井はかませ犬のようになっているので実力的に相応のマッチメイクが組まれることが望ましいだろう。
とはいえ、堀井のキャラクター性には主催者も注目しているはずだ。堀井についてはまだ実力のあるファイターとは言い難いが、彼のエンターテイナーとしての立ち振る舞いは観衆の興味を惹くことに成功している。
格闘家も話題作りの為に乱闘騒ぎ、挑発で盛り上げようとする選手も多く散見される中、堀井というファイターは第二の城戸康弘のようなポジションを確立していくのかもしれない。
(文・Totty)