2019年10月12日RIZIN19にてRIZINキックボクシングの名試合が生まれた。
現RISEチャンピオン白鳥大珠vs元K1チャンピオン大雅だ。2019年度無敗の白鳥に対してここ数年負け越しの大雅。ただ大雅も一度はK1のベルトを巻いた数少ない1人である。
RISEライト級チャンピオン白鳥大珠
試合前の評価を見ると白鳥有利の声が多かった。一度はボクシングに転向した白鳥だが2018年にキックボクシング復帰、圧倒的な強さでRISEライト級チャンピオンに上り詰めた。
すぐにWORLD SERIES 2019 -61kg Tournamentでムエタイの強豪セクサンや日本ムエタイ界の至宝の梅野源治を圧倒的実力差を見せ無敗のまま世界チャンピオンになる。
元K-1チャンピオン大雅
その一方大雅は10代でKrushの55キロ級王者、20歳の若さでK-1スーパーフェザー級の世界チャンピオンに。
後の戦績は数年不調続き、色々な大人の事情絡みもありますが、そのあたりから昔の大雅が消えました。前回の試合の町田光戦にて復活した後、この一戦を迎えた。
白鳥有利と言われる中、この階級で今の白鳥を倒せる可能性があるのは大雅との声も僅かながらありました。
白鳥大珠vs大雅の試合展開
1R、白鳥の身長差とボクシングテクニックに翻弄される大雅、K-1時代からの弱点であるガードの甘さが出てしまい、左フックでダウンする。その後はオーバーハンドで1発を何度か狙うも白鳥の身長差に全く当たらない。
2R、大雅は開始早々スーパーマンパンチ打つもカウンターで転倒し、ダウン(これは個人的にはダウンではないと思います。)その後パンチと膝の連打でガードで耐えるもオーバーパンド打った後に転倒しダウン(これもダウンではないと思いましたが)もうすでに3度のダウンを奪われています。
このラウンドあと一回でダウンで負け。大雅が勝つにはもう一撃のあるKO狙いしかありません。
大雅、オーバーハンドで巻き返しを図る
このまま白鳥の圧勝かと思われましたが、2R終盤に今まで当たらなかった大雅のオーバーハンドが顔に命中、ここから一気に流れが変わります。
その後ももう1発命中、その後ボディへ数発当てる。
これが上手かったですね。ここで2R終了。大雅は諦めずに打ったオーバーハンドが1発当たったことによりさらに当てるために休まずにボディで効かせました。
3R、開始早々大雅が完璧なオーバーハンドでアゴを捉え白鳥がダウン。その後はダウンこそないものの終始大雅が攻め、白鳥はダメージもあり、リーチを使った技でしのぐ展開に。3Rを耐えるような形で試合終了。
結果的に大差をつけて3-0で白鳥の判定勝ちとなりましたが、非常に素晴らしい試合でした。5Rであればダメージも考え、大雅のKOor判定勝ちとなった可能性もありました。諦めない気持ちは大事だと感じさせられました。
全盛期の怖がらない大雅が復活か
何故、大雅が巻き返す展開になったのかと言うと、まずは2R目終盤に当てた1発ですね。あれはラッキーパンチに見えるかもしれませんが、違います。
白鳥の一瞬の油断と大雅の諦めない気持ちです。白鳥は三回ダウン取ってるから負ける事ないだろうと心の中で思っていた一瞬の油断が大雅の絶対諦めない気持ち当てたんだと思います。
その後は見ればわかりますが3R終了まで別人のような動きで圧倒してました。
もう一点これが非常に大事なところで、大雅が見せた全盛期の怖がらない勢いですね。元々ガードは上手くない方でパンチはもらってましたが、それを補う勢いで武尊との激闘や卜部兄弟に勝利したこともありました。
スタウロス戦でのKO負けしたあたりから怖がって勢いがなくなり連敗が続きましたが、この怖がらない勢いを取り戻したため名勝負が生まれたのではないかと思います。
大晦日のRIZIN20でのリマッチではドクターストップによるTKO負けで残念な結果でしたが、これからの復活劇でまた数年後この2人でキックボクシング界を盛り上げてほしいと思います。