キックボクシングは蹴り、膝、パンチ、肘など、寝技以外ならほとんどの攻撃部位が許可されている格闘技です。
団体によってルールは違いますが私が所属している団体はムエタイのルールに近い為ほとんどの打撃ができます。
蹴り技には大きく分けると、ローキック、ミドルキック、ハイキックの三種類があります。ローキックは相手の太もも辺りを蹴る技、ミドルキックは腰より上から相手の腕くらいの高さまでの間を蹴る技、ハイキックはそれより上の頭を狙い蹴る技になります。
試合ではこの蹴り技を組み合わせて戦うのですが私はこの中でも一番一発で相手を仕留めることができるハイキックを得意としています。
キックボクシングの試合で見たハイキック
同じジムに所属するプロ選手の応援で試合を観に行った際、ハイキック一発で相手を失神させKO勝ちしてる選手を見ました。
その選手は身長が高く蹴り足が相手の頭まで一瞬で届いていました。相手はその蹴りに反応できず首を刈られるように蹴りをもらい痙攣しながら固まって倒れていました。
その瞬間、電撃が走るようにゾクゾクっと全身に鳥肌が立ち、驚きと同時に自分もこんな技で相手を倒してみたいという感情に満ち溢れていました。
ハイキックの決まりやすさと身長差の関係
次の日から私はハイキックを多く練習中に取り入れるようにしました。
いつもはミドルキックを主で蹴り技を得意としていたので、ハイキックをうまく使う事でより蹴りが当たりやすくなります。
私は元々体が柔らかい方だったので相手の首の高さまで思ったより簡単に蹴ることができました。
スパーリングではハイキックがおもしろいように当たりだし、ハイキックを当てるためにどうやって相手を騙そうかと色々考えながら練習するようになりました。
ですがハイキックには難点があります。自分より身長が低い人に対してはすぐに顔の高さまでいくのでモーションに気づかれず当てることができるのですが、自分より背の高い人に対してはなかなか届くまでに時間がかかるのでモーションに気づかれ避けられてしまうことが多いです。
自分より身長の高い相手へのハイキック
パンチなどと組み合わせ死角から蹴りを出す事によって自分より背の高い相手に対してでも蹴りを首の高さまで届かせることができます。
私は身長175センチの60キロと同階級の中では比較的身長が高い方だったので自分より背の高い人は滅多にいません。ハイキックは私に向いている技だと思いました。
試合で決まったハイキック!
それから一年後くらいに行った実際の試合でハイキックを相手の首に命中させダウンさせたことがあります。
自分が理想としていた一発KO!とはいかなかったのですがハイキックで相当なダメージを与えることができ、その後直ぐにパンチのラッシュでKO勝ちすることができました。
試合で練習同様の調子の良い状態で戦うことは緊張で体が固くなったりして難しい部分もあります。しかし、練習以上の状態で試合ができなければプロにはなれないと思っているので、なるべく緊張を自分の力に変えられるように努力しています。
ハイキックを決めるコツ
試合の際に緊張で体が固まっていては当てるまでに相手に気付かれてしまい当てることなどまずできません。ハイキックを当てるポイントは、リラックスして相手をよく見ること。
相手によってスタンスやファイトスタイルが様々です。ガードをガッチリ上げて詰めてくる選手もいれば、ガードをあまり上げず遠い距離から一瞬で飛び込んで来る選手もいます。
どちらの選手にしても必ずどこかに隙があります。いくら一流の選手でもよく見ていれば一瞬どこかしら隙が開くことがあります。
ハイキックは相手が一瞬でもガードを低くしたその瞬間を狙って蹴る技です。
相手をよく見てパンチを打ち一瞬ガードが下がった時に蹴りにつなげるのがポイントです。試合の緊張感は何試合もこなさないと絶対慣れないと思います。
まずは試合をこなして慣れてからハイキックをやってみるといいと思います。当たった時の快感と達成感は自信に変わるはずです。
(文・rio)